9月27日、韓国与党が日本の放射能汚染地図を作成し、その中で2020年東京オリンピックでサッカー会場となる我が宮城県の宮城スタジアムも汚染されているという報道を耳にしました。
「誰がそんなデマを!」
と怒りに駆られてネットを検索すると、朝鮮日報日本語版9月26日付けにその記事はありましたが、それを見て思わず脱力してしまいました。
そこには福島原発から放射能の汚染がなんと、放射線状に広がっておりました。
「んな訳ね~だろ!w」
正直そのあまりの杜撰さに、怒りや呆れよりも思わず笑ってしまったほどでした。
これを作ったのが韓国与党「共に民主党」の日本経済侵略対策特別委員会という、どうやら議員や弁護士などで作る小委員会の様ですが、はっきり言って彼らの科学リテラシーというのはこの程度のものなのかと失笑を禁じえない訳です。
そして放射線一覧表の先頭には「미야기 스타디움(宮城スタジアム)」のハングル、その放射線量は何と48,000Bq/m2!
一体どこからこんな数値がと思い記事を読むとそこには、
特別委の幹事を務めるオ・ギヒョン弁護士は同日、ブリーフィングで「原発事故以降の放射能汚染の程度を測定する日本の市民団体『みんなのデータサイト』で公開している資料を基に制作した地図」と説明した。
とありましたので、早速くだんのサイトを見てみますと、そこには早くもこんなメッセージが書き込まれておりました。
(9月27日)
朝鮮日報日本語版 9月26日付けの報道についてのお問い合わせ
朝鮮日報日本語版9月26日付けにおいて、韓国の与党がみんなのデータサイトのマップを改変したとして、放射能汚染マップをつくり、記事を発表しました。
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019092680242
数値の改ざんではないかとのご指摘、類似の問い合わせを、現在多方面から頂いています。
現時点でわかった事実としては、数値は、私たちの団体で測定したものではなく、他の団体が測定したホットスポットを含むデータが用いられている模様です。
私共にはデータについて、また今回団体名を記載する旨、一切の連絡を受けておりません。
そして翌日には放射線データについて、サイトからの引用とする韓国側の報道を否定する記事がアップされます。
(9月28日)
みんなのデータサイトで、この報道内容を確認したところ、公表されている地図およびオリンピック会場とされる地点の放射能の値について、実際に私たちのサイトのいつの時点の、どの地点のデータを使ったのか、合致する数値を見つけることができませんでした。
こうして韓国側の報道を真っ向から否定し、韓国の議員に対して質問状も送り、この件は新聞でも報道される事となりましたが、詳しく報道してるのがサンスポとかスポーツ報知というスポーツ紙というのも何だかなという感じです。
ただこの「みんなのデータサイト」、土壌汚染を自分達で計測しようという市民グループなのですが、はっきり言って風評被害をよけい増長させるだけなんじゃないかと個人的には思っていた所でありまして、サイトの汚染地図を開いてみるとこんな地図が表示される訳です。
これ、色といい汚染範囲といい、あの韓国の汚染地図と似てません?
こうして見ると韓国が作った地図は、明らかにこれを参考にしたとしか僕には見えないのですが。
サイトでは、
我々のマップは、あくまでも測定地点の汚染度を示すものであり、面的汚染には言及していない。
と述べておりますが、この地図をぱっと見てこれが面的汚染ではなく、あくまで測定地点だけの汚染度だと判断出来るとはとても思えない訳です。
地図を拡大していけば徐々に測定地点のポイントが現れてくる訳ですが、この小さな縮尺で見た場合はどう見ても面的に汚染されているとしか見えず、さも東北から関東全般まで汚染されているという印象を与えています。
結局、見た目でそういうイメージを抱かせる、こういう印象操作というものが風評を作る元なのであって、このサイトの作り方はたとえ当人がどう弁解しようとも、いらぬ風評を増長させるものと言わざるを得ないのですね。
そして今回、韓国がそれを逆手にとったという事で、不安煽りは見事に成功したという訳です(いや、あの地図では無理だけどw)。
「みんなのデータサイト」では土壌の汚染状況を計測していると言いますが、過去の大気圏内核実験で降り注いだ放射性物質と今回の原発事故のそれとはどうやって区別してるのかとか、震災被災地のあちこちで行われている土木工事は考慮されているのかなど、色々疑問も沸いてくる訳です。
それで結局、今の所自分的には空間線量を計っている以下のサイトを一番信用している次第です。
こちらでの最新の汚染状況はこうなってます。
はい、韓国側が懸念した競技場の場所はすべて正常値、不安なんか何もありませんね。
今回の韓国の汚染地図はデータの出所も測定時期も不明、放射状の汚染範囲など、はっきり言って捏造あるいはデマと言って差し支えないかと思われます。
でもこれに対する政府の対応は、
菅義偉官房長官が27日午前の記者会見で「我が国に対するいわれのない風評被害を助長するような動きについては懸念を持って注視している」と述べ、不快感を示した。そのうえで「我が国は引き続き科学的根拠に基づいた正確な情報を国際社会に丁寧に説明していく。韓国に対しては冷静で懸命な対応を強く求めていく。」と強調した。
と、何となくそっけないものでした。
本来ならもっと強く韓国側に文句を言っても良かった気がしますが、でもまあ、【「科学的事実に基づかない根拠なき批判」の具体的な物証】が提示されたという事で、これからのIAEAでの議論などで有効に活用出来ればとそれでよしという事でしょうか。
さてでは今回の件で、地元宮城県ではどう対応するのでしょうか。
先の「みんなのデータサイト」を見てみると、確かにそこでは宮城スタジアムでのデータは取っていません。
(「みんなのデータサイト」より。宮城スタジアムは赤丸部分)
「みんなのデータサイト」では韓国与党に対して申し入れを行っています。
韓国の汚染地図は単なる一市民団体の手によるものではなく、いやしくも公職にある韓国与党議員の手で作成され、宮城スタジアムに対して言われなき風評(デマ)を流された訳です。
ここは宮城県としても、外務省を通じて正式に韓国側に謝罪と訂正を要求すべき案件ではないかと思う訳ですが、果たして県は見て見ぬふりとするのでしょうか。
個人的にはすでに一市民として、こういう意見を投下したのは言うまでもありません。
(参考)