杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

3月11日に見た嬉しい記事

3月11日、震災から4年目となるこの日、河北新報朝刊のワイド東北欄でちょっと嬉しくなる記事を見つけました。
その記事は、福島県南相馬市で活動を続けるNPO「ベテランママの会」が「復興の光大賞」を受賞したというものでしたが、紙面ではカラー写真まで掲載されてかなり目立つ存在でもありました。


記事の内容も、ただ結果だけを報告しているだけではなく、その活動内容などもかなり詳しく紹介されていました。
(以下引用 ↓)

  ベテランママの会
  復興の光大賞受賞
        南相馬市長に報告


南相馬市の市民団体「ベテランママの会」が、NPO法人日本トルコ文化交流会(東京)が創設した「日本復興の光大賞」の大賞を受け、会のメンバーが10日、桜井勝延市長を訪れ、受賞を報告した。
 復興の光大賞は、東日本大震災と福島第1原発事故の風化が懸念される中、草の根で復興活動を続ける民間団体に光を当て、支援しようと設立。ジャーナリストの池上彰さんが審査委員長を務めた。
 ママの会は母親5人で結成。原発事故後、不安を抱えて暮らす市内の母親らの傾聴活動を始めた。その後、南相馬市立総合病院の医師と協力し、放射線をテーマに講話を開催した。
 放射線が細菌のように移らないことや市内の外遊びでも大きな被ばくの恐れがないと解説した講話内容を冊子にまとめ、英語版を含む5万部を作成。市内外の学校などで教材として使われている。
 代表の番場さち子さん(54)は「『正しい情報を世に広めた』と評価してもらえたのがうれしい」と喜ぶ。一方で「福島県にいるというだけで偏見の目で見られるケースがまだある。正しい知識を知ってもらう講演会などの開催を続けていきたい」と語った。
 特別賞には「まちづくりNPO新町なみえ」(二本松市) 「再生の里ヤルキタウン」(陸前高田市) 「石巻復興支援ネットワーク」(石巻市)の3NPO法人が選ばれた。

(↑ 引用終わり) 

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恥ずかしながら、この記事を読むまでこんな賞があったとはまるで知りませんでしたし、池上彰さんが審査委員長というのにも大いに驚いた次第です。
調べてみると、この賞を取った事は3月1日にすでに福島県の新聞でも報じられていたのが分かりました(→こちら)。
また表彰式の模様は、特別賞を受賞した「石巻復興支援ネットワーク」のブログでも報告されていました。
しかしこの日の記事は代表者の方の談話まで紹介するという一歩踏み込んだ内容であり、この記事は福島のWEBニュースにも見当たらず、また河北新報のWEBサイトどころかどこのWEBニュースでも紹介されておりません(自分の探し方がまずかったのかもしれませんが)。
多分、福島の新聞紙面やローカルテレビ局などでは報道されたのかもしれませんが、この様な地道な取り組みが全国的に紹介される事はめったになく、ましてや近年は、都市部などでは震災の風化もより一層進んでいると聞きます。
福島に対する偏見も収まっているとはまだまだ言えず、この様な情報発信はこれからも地元から、もっと積極的に続けていかなければならないでしょう。

以前のエントリーでも言いましたが、震災の風化を防ぐ上にも全国版のNHKニュース枠などで、こういう被災地のニュースをリレー形式で紹介するコーナーなどを設け、復興の現場や地元の声などを遠くの地域に伝えてもらいたいと切に望むものです。

どうしても気が重く落ち着かなくなるこの日、この記事を読んで重苦しい胸のつかえが少し取れた、そんな思いを抱いたのでした。

(参考)
・日本トルコ文化交流会HPより:『エルトゥールル号からの恩返し「日本復興の光大賞15」表彰式
アピタル「内部被曝通信」より:『《126》 放射線の基礎知識を冊子にまとめました
・ベテランママの会HPより:『活動履歴