杜の里から

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日韓問題を考える(3)~韓国のグループB変更は正解だったと思う訳~

まさかのGSOMIA破棄!、最側近の強制捜査

まさに韓国ドラマを地で行く様な展開に、思わず韓国の関連ニュースばかりを追いかけて、録り貯めていたアニメを見る暇が無くなっている今日この頃を過ごしておりますw。

 それにしても、韓国文政権の日本の輸出管理体制強化への反発は相当なもので、「輸出規制」とか「報復措置」とか、挙句の果てに「経済戦争」とまで煽り立てて、それを軍事上の安全保障分野にまでこじつけてしまうその論理には、呆れてしまう以上に、

「そう来たか!」

と、思わずひざポンしてしまうほどでした(笑)。

 

それほど韓国にとっては日本の輸出管理強化が致命的の様に捉えられていて、日本政府はまさに韓国の急所を突いた形にもなっている訳ですが、でも最近自分的には、韓国をこれほどまでに追い詰めてしまった原因は、そもそも日本側にあるんじゃないかと思ったりする訳です。

 

実際、世耕経済産業大臣が厳しい面持ちで輸出管理強化を発表した時は、僕自身も思わず韓国に対する報復措置発動!と思ってしまったほどでした。

しかし幸いな事に、早々にネット内で元・経済産業省貿易管理部長である細川昌彦さんのメルマガに出会い、以後ずっと細川さんの解説を追う事で日本政府の措置が報復でも何でもない事を知る様になりました。

ではここで、細川さんの解説を追いつつこれまでの経緯を時系列で振り返ってみましょう。

 

そもそもの始まりは7月1日、前日まで行われていたG20が終わった途端、突如何の前触れもなく、世耕大臣から半導体製造に欠かせない材料3品目の輸出管理強化の発表が行われた所から始まる訳です。

この発表を受けてマスコミは一斉に「徴用工訴訟への対抗措置」とか「輸出規制」などと騒ぎ立て、その日本報道を受けた韓国マスコミが一斉に「日本の輸出規制!」「経済報復!」と騒ぎ立てる事となってしまった訳です。

(一例:前日に報じられた産経新聞ニュースより、強調は引用者)

半導体材料の対韓輸出を規制 政府 徴用工問題に対抗 来月4日から

 政府は、韓国への輸出管理の運用を見直し、テレビやスマートフォン有機ELディスプレー部分に使われるフッ化ポリイミドや、半導体の製造過程で不可欠なレジストとエッチングガス(高純度フッ化水素)の計3品目の輸出規制を7月4日から強化する。いわゆる徴用工訴訟をめぐり、韓国側が関係改善に向けた具体的な対応を示さないことへの事実上の対抗措置。発動されれば、韓国経済に悪影響が生じる可能性がある

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 これを受けて世耕大臣(以降「世耕くん」と呼称しますw)は発表の際、「制裁措置ではない」とか「韓国経済に影響は与えない」などと付け加える訳ですが時すでに遅し。

韓国国内はパニックとなり、一斉に反日一色に染まる訳です。

これらの動きを見てこの日7月3日、細川さんは『誤解だらけの「韓国に対する輸出規制発動」』というタイトルでメルマガを発表し、これがネット内で大きな話題となります。↓

一方政府ではその日新聞各社の制裁報道を受け、世耕くんはこんなツィートをしてしまう訳ですが、これがより一層韓国側の誤解を招く事となります。

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 そしてこのツィートを受け、細川さんはこの日の夕方慌てて「補足解説」のメルマガを挙げ、

「元徴用工問題は今回の措置の背景ではあるだろうが、理由ではない」

とし、

「こうしたことをもう少し政府は国民に丁寧に説明すべきだろう。そうした説明は、マスコミの誤解を招かないためにも、必要ではないだろうか。」

 と訴えます。

 そして7月4日、日本政府による半導体材料三品目の輸出管理強化が始まり、翌7月5日、それについて細川さんはまたメルマガを発表し、世耕くんのツィートについてもその問題点を指摘し、「日本は適正な論理を示すべきだ。」と結びます。

 7月12日経済産業省による問題の「説明会」が行われます。

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そして細川さんは7月23日のメルマガで韓国側の過剰反応と「キャッチオール規制」について紹介しつつ、

「明らかに韓国の主張は日本のメディアのゆがんだ報道と軌を一にしている。しかもそれらは輸出管理制度への無理解からくるものだ。」

「正しい情報が伝わっていないからこそ、日本は国際社会に輸出管理の論理で「やるべきことをやっている」と説明する努力をもっとしなければならない。」

 と、日本メディアの問題点と日本政府の説明不足を指摘します。この頃からテレビでも細川さん自身の姿が多く見受けられるようになり、輸出管理強化措置について自ら解説する場が増えてきて、その中で実は細川さん自身が「ホワイト国」の名付け親であった事も知り、彼の解説もより一層信憑性を増す事となります。

やがて徐々に新聞報道の姿勢も変化していく事が下記メルマガでも指摘されますが、それでも細川さんの解説をまともに記事として取り上げる大手新聞社がいない事は僕的には不思議でなりませんでした。

 8月2日、日本政府は韓国を「ホワイト国」から除外し、新たに4つのカテゴリーを設け、韓国をグループAからグループBに移行する事を閣議決定し、そしてこの政令8月28日から施行されたのは承知の通りです。

このグループ分けについても、実際の輸出実務者の方がやさしく詳細に解説してくれて、僕的にはますます「何だ、実際大した事ないじゃん!」と思ってしまう訳です。

8月5日の細川さんのメルマガではまた、日本メディアの問題と政府対応の重要さを説いています。

「日本のメディアによる誤解を招く報道が、こうした無駄な企業行動となって影響している。」

「日本も筋論では100%勝てるものの、油断大敵である。こうした国際世論への対策は韓国相手のときには、特にがむしゃらにやらなければならない。」

8月8日、政府会見で日本から輸出管理強化物件の一部が輸出許可された事が報じられ、それがサムソン向け「EUVフォトレジスト」である事を韓国側が発表します。

そうして向かえた8月15日、韓国での「光復節」における文大統領の思わぬトーンダウン演説が日本国内では話題となりますが、実は8月9日中央日報が、韓国内のこんな動きを記事にしていました。

 ここでは、日本政府による韓国のホワイト国除外及びその後の対応についてしごく真っ当な意見が語られていて、文大統領のあの演説もこれらの提言が影響しているのかもとも感じてしまいます。

しかしこの中で、ちょっと気になる発言がありました。

記事(2)の中での、起豪(ヤン・ギホ)聖公会大教授の発言です(強調は引用者)。

日本の公式的な名分は戦略物資統制ができていないということだ。産業部はなぜ3年間も協議に応じず、日本が引き金を引く口実を与えたのかが気になる。内部的に検討して誤解が解けるようにしなければいけない。

この会議は8月7日に行われています。

しかし日本からの輸出管理強化が打ち出されたのは7月1日、韓国の実務者が来日した「説明会」が行われたのは7月12日です。

という事はこの間韓国政府内では、日本政府が訴えている産業部の協議不開催についてはまるで調べていないか、或いは調べていてもその内容を全然公表していないという事を意味します。

 

僕が韓国をホワイト国から除外(グループBに変更)したのは正解だと思う訳はここにあります。

これまでの細川さんや実務者の方の解説により、今回の措置はどう見ても「経済報復」にはなり得ない事は素人でも理解出来ます。

そしてこれは、実際の実務者レベルでは尚更その事は理解出来るはずで、7月12日の説明会では当然その事も説明されたであろうし、韓国の実務者もそれは理解したはずです。

それなのにそれから一ヶ月以上経っても、韓国内では依然として「経済報復」という名の下での反日反安倍運動が続いている訳です。

 

これらの事を考え合わせ、韓国をホワイト国から除外(グループBに変更)する事は妥当であったかどうかを、以下の4つのケースを考えて判断してみます(実はどのケースでも結論は同じなのですがw)。

 

ケース1:経産省の事務的説明を、韓国の実務者は理解出来なかった。

まあ多分それはないでしょうが、そもそも担当者が輸出管理の手続きを理解出来なかったとしたら、それこそその場でアウトとなる訳ですから、ホワイト国除外は当然の処置となる訳です。

 

ケース2:説明は理解したが、その事は実務者レベルに留め置き、詳細は政府には伝えなかった。

ひょっとしたら実務者は、これが経済報復ではないという事実が現在の韓国政府の方針とは相容れないため、政府に忖度して敢えて聞かない事としたかもしれません。

でももしそんな事だとしたら、それこそ実務者間の信頼は成り立たなくなる訳ですから、ホワイト国除外は当然と言う事になります。

 

ケース3:政府部内でも日本の管理強化措置が経済報復でない事は理解できたが、大統領に忖度して詳細は大統領府(青瓦台)に上げていなかった。

この辺になると実務者レベルではなく国家間の信用・信頼という範疇に入ってくる訳ですが、このケースでは韓国政府自らが国家間の信頼を放棄する事になる訳ですから、ホワイト国除外は当然という結論となる訳です。

 

ケース4:文大統領は本当はすべて知った上で、敢えて国民に向かって「日本の経済報復」と叫んでいる。

これこそまさに韓国自ら国家間の信頼を放棄するという、ホワイト国除外は当然の措置となる最悪のケースという訳ですが、実は個人的にはこれが一番考えられるんじゃないかとも思っているのです。

 

 日本政府は7月1日から24日まで、韓国のホワイト国除外についてのパブリックコメントを募集しましたが、あの時点では自分の中ではまだ結論は出ていませんでしたが、こうして時が経ってから改めて見直してみると、やはりホワイト国除外は妥当な措置だったと思うし、その責はやはり韓国側にあると言わざるを得ません。

しかしまた、そこまで韓国を追い詰めてしまったのは、日本政府の言葉足らずの対応と、無知なマスコミのせいもあったのではないかとも思うのです。

細川さんは8月14日のメルマガで、 

「 こうした誤解が日韓双方に広まっているのは、政治とメディアの責任が大きい。

 あえて今回の措置の影響が大きいと「見せたい」政治的な思惑が日韓双方の政権にあるようだ。またメディアも輸出管理制度への理解不足もあって、そうした政治的思惑をそのまま報道してきた。その結果、日韓の両国民は誤解を持ったまま過剰反応をする状況を招いている。」

 と警鐘を鳴らしていますが、それには大いに同意するものです。

 

細川さん言う所の、これまでの韓国での“空騒ぎ”の原因の多くは、日本メディアの報道による所が大きいと感じます。

これまで細川さんは多くのテレビメディアに出演し、輸出管理業務を分かりやすく解説する事に孤軍奮闘していますが、いかんせん彼は今は一私人に過ぎません。

そして自身が繰り広げるメディア批判のせいか、大手の新聞各社はまともに彼の解説を取り上げようとしていません。

だから尚更、今重要なのは、経産省自らが表に立って、フィリップを用いながら細川さんの様な分かりやすい解説を、日本のマスコミに向けて行うべき事だと思うのです。

政府が正式な記者会見という場でマスコミ向けに輸出管理システムのレクチャーを行えば、その内容はどのマスコミも取り上げざるを得なくなり、そしてその記事がそのまま今度は韓国側に伝わっていく訳です。

9月になれば徐々に日本からの輸出は正常に戻っていくと思われますが、そうなる前に日本政府は、日本の輸出管理強化が経済制裁ではなく、韓国経済を脅かしたりしないという事を韓国側に理解させる事、これが今政府に求められる一番の韓国向けの政策ではないかと自分は考えます。

 

政府内や討論番組のコメンテーターの中には、いずれ順調に材料が輸出されれば反日運動は自然に収まるとか、その時文大統領はどうするだろうなどという楽観的な意見も見受けられますが、その考えは極めて甘いと言わざるを得ません。 

相手はGSOMIA破棄まで行ったあの文大統領です。

輸出状況が正常に戻った時、彼はきっと韓国民に向けてこう言うに違いないと僕は思うのです。

 

「我々は勝利した!

 我が政府の圧力と、安倍糾弾運動や不買運動という韓国民の不断の努力が、安倍政権の硬い扉を押し開けたのだ!

 これからも日本の脅しに屈する事なく、我々は勝利への道を歩み続けるのだ!」

 

と。

 

 

 

※こちらのメルマガも参考になります。↓