杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

雲蝶(うんちょう)を巡る(2)

今年の夏休みは8月9日から17日までの9連休となったので、GWの新潟旅行で知った石川雲蝶の作品が見られる寺社を尋ねる、所謂「雲蝶巡り」をしてきました。

まずは長岡市の「道の駅越後川口あぐりの里」を起点とし、国道17号線を走って魚沼市に入り、以下「永林寺」「西福寺開山堂」「穴地十二社」「龍谷寺」の4社の順で訪れました。

それぞれの間隔は8~10kmほどです。

「道の駅越後川口あぐりの里」

実際は道の駅から5分の所に「林興庵」というお寺があり、その本堂欄間に雲蝶の彫刻作品があるのですが、あいにくこの日はご住職が不在という事で見学は出来ませんでした。

永林寺

道の駅越後川口から8.4kmほどの所に「永林寺」があります。

お寺自体の外観は普通ですが、本堂内部には欄間を始め本堂外周から襖に至るまで、あらゆる場所に雲蝶の彫刻・絵画作品が溢れています。

本堂横に見学路入口があります。

雲蝶の代表作「天女」。

入場料は大人500円。

本堂内はどこも撮影禁止のため、ここで直接作品を紹介出来ないのが残念です。

(パンフレットより)

作品については「永林寺」HPでも紹介されていますのでぜひそちらを。↓

 

西福寺開山堂

永林寺から国道17号線を10kmほど南下した所に「西福寺」があり、本堂敷地内に「開山堂」があります。

5年の歳月をかけ、安政4年(1857年)に完成。

ここも内部は撮影禁止のため作品の紹介は出来ませんが、パンフレット表紙に雲蝶の代表作が載っていました。

石川雲蝶作「道元禅師猛虎調伏之図」)

写真では絵画の様に見えますが、実物は透かし彫りによる立体的な彫刻で、これが開山堂の天井いっぱいに広がっています。

この日お堂内には多くの見学者が訪れていましたが、天井から壁面・欄間に至るまで埋め尽くされた数々の雲蝶作品に皆魅了されていました。

お堂内は撮影禁止でしたが外側は撮影自由だったので、あちらこちらをしっかりカメラに収めてきました。

「向拝」、破風に鳳凰、中央に烏天狗

カラス天狗の表情が良いですね。目にはギヤマンが使われてます。

木鼻は獅子鼻と象鼻、象鼻はあまり見ない珍しい彫像です。

海老虹梁にも細かな彫刻、波間を飛ぶ鳥とカニの姿。

裏側(内側)には見事な龍神とそれを召喚するご老人(道元禅師?)、手挟(たばさみ)には小刀をくわえる若武者の姿、細密な彫刻です。

右側の木鼻、象の鼻にくるまれている子どもは笑っているみたいです。

その裏の海老虹梁、波間から龍の尾が見えます。

その裏側(内側)、琴を弾く天女(観音菩薩?)と龍神、手挟には鬼(雷神?)に立ち向かう若武者。

勇壮たる物語の姿が浮かび上がります。

左側欄間には立体的な庭園の彫刻。中央に立つのは神様でしょうか。

右側欄間にはお祈りする人々、この海老虹梁の内側全体が一つの物語を描いている様ですが、それが何であるかは勉強不足のため僕には分かりませんでした。

外側だけでもこの迫力、開山堂の中の彫刻を紹介出来ないのが残念ですが、ぜひご自分の目で確かめてほしいものです。

 

穴地十二社

西福寺から8.5kmほど下ると、穴地の集落の端に小さな社「十二社」があります。

ここの獅子木鼻と龍の向拝が雲蝶の作、その力強い姿に雲蝶の作風が見て取れます。

ここは社の中に入れる様になっていて、左右の欄間の彫刻も雲蝶の作とされています。

右側の欄間は「酒吞童子大江山の鬼退治」がモチーフ。

左側の欄間は「鵺(ぬえ)退治」、どちらもなぜか未完とされています。

十二社については下記の方がブログで詳細に報告しているのでぜひご一読のほどを。↓

 

龍谷

穴地十二社から下る事2km、曹洞宗のお寺「龍谷寺」に着きます。

ここの本堂の欄間に雲蝶の作品が残されてますが、あいにくここも撮影は禁止なのでパンフレットの写真で作品の一端を。

欄間には雲蝶以外の彫刻も並んでいますが、見比べるとその差は歴然。

同じ龍の彫り物でも彫りの深さや精密さなど、その違いは素人でも分かります。

その一端はこちらのガイドから。

 

今回は南魚沼市にある雲蝶作品を巡りましたが、他にも新潟県には数多くの作品が眠っています。

今回の旅をするにあたり、予めこちらの資料本を買って予習しました。↓

本には雲蝶作品や所蔵寺社などが豊富な写真と分かりやすい解説で詳しく紹介されており、雲蝶作品に触れるのには最適なガイドブックで、訪問先の選定などには大いに参考にさせてもらいました。

 

今回雲蝶巡りをしてつくづく感じたのは、なぜにこの素晴らしい作品群を撮影禁止にしてるのかという事です。

「日本のミケランジェロ」というキャッチフレーズが付いてるのなら、SNS全盛の今の世の中、せめてスマホ撮影だけでも許可して、若い世代がこの素晴らしい作品群をどんどん紹介出来る様にしても良いのではと思うのです。

しかしながら、最近のオーバーツーリズムの問題など見ていると、有名になり過ぎるというのにもまた一抹の不安を感じたりもします。

派手に宣伝する事なく知る人ぞ知るのまま、その素晴らしさが静かに広く浸透していくという方がこの場所には合っているのかもしれない、そんな思いを抱いたのもまた事実です。

 

雲蝶ガイドマップ ↓