杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

震災規模を実感した記事

震災からもうじき一年となる事もあり、テレビではあの日の特集番組が数多く流されています。
今回の震災の死者・行方不明者数は、2月29日現在で1万9130人と発表されています。
しかし、確かに数そのものは大きいのですが、この様な数字だけを聞いてもその規模の全体像は中々思い浮かべられません。
そしてこの様な風景も、これはこれで感慨深いものがありますが、今回の震災の一側面だけを映したものに過ぎないという思いがありました。
テレビでやる特番などはどうしても一地域だけに注目を当てざるを得ず、あくまで局所的な情報となってしまいます。
またがれきがなくなった被災地の俯瞰映像なども、その広大さは理解出来ますが、決して地震の悲惨さを映し出したと言えるものではなく、このような映像を見ていても、何か違うという違和感をずっと抱いていました。
そんな中、地元のローカル新聞河北新報に、非常に印象的な記事が載りました。
それは3月2日の朝刊の、震災一年を迎えるにあたっての特集記事で、今回の震災の死者と行方不明者数の一覧が、東北地方の地図と共に紹介されていたものでした。
新聞の片側全面に広がったその巨大な地図を見た時、私はここで改めて今回の地震のスケールを実感する事が出来たのです(クリックで拡大)。


そう、私達が見る映像からは、この死者の存在が意識的に除かれていたのです。
私達もまた、津波映像などを見ていても、それに巻き込まれた人々の存在を敢えて考えない様セーブ機構が働いていたとも言えます。
今回この冷徹な数字を目にした時、あの日あの場所は、間違いなく悲しみの大地であったという事が実感出来たのです。

この図は、河北新報WEB「Kolnet」の『3.11大震災』特集のページからダウンロード出来るようになっています。
特集・大震災から1年】より
行方不明者/「家族の元へ」総力戦 (2012/03/02)(pdf)

今日の新聞にこんな記事が載りました。
仙台市、震災死者797人に 関連死93人を新たに認定
 仙台市は6日、東日本大震災による死者数が、これまでより93人増えて797人になったと発表した。ライフラインが止まり、自宅で肺炎を発症して死亡するなど、震災に起因する災害関連死として新たに認定された人数を加えた。
 市によると、災害関連死を疑う遺族から計215件の認定申請があり、このうち165件を審査、143件を関連死と判定した。7件を不認定、13件を継続審査としている。2件は遺族が取り下げた。残り50件も順次、審査する。
 死者数は市内で死亡が確認された人数で、市民以外の91人と、市内で遺体が発見された身元不明の2人を含む。今回、昨年末に判明した死者1人も加えた。従来の死者数704人には避難所で息を引き取るなどし、関連死の可能性が高い51人も暫定的に含めていた。
 関連死については、市が昨年11月に設置した医師と弁護士、学識経験者計5人による災害弔慰金等支給要件判定委員会が審査している。
 市防災安全課は「震災から1年を迎えるのを前に、現在分かっている状況を反映させた。死者数は今後も変動する可能性がある」と話している。
 33人だった市内の行方不明者は、1人が他市町村で遺体で発見され、身元が判明したことから32人となった。
 今回の発表は市独自の集計で、警察発表の数字と異なる場合がある。
2012年03月07日水曜日
これからもこの悲しい数字は増え続ける事でしょう。
そしてこの一つ一つの数字の裏にはすべて、一人一人の人生が存在していたのです。
被災地の住民のみならず私達もまた、この数字の重みを胸に刻み付けつつ、復興への道を歩む人達を応援していかねばと強く思うのです。