杜の里から

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神社を巡る(三日目)~いわき市~

寺社巡りの旅三日目は、前日の茨城県大子町から福島県最南端の町矢祭町を経由して太平洋側のいわき市に向かいます。

矢祭町からいわき市に向かう途中、国道289号線沿いに小さな神社があります。

三日目はそこを皮切りに、以下訪れた神社を次々と紹介していきます。

 

・「小土(こひじ)神社」

国道289号線に面した鳥居から赤い御神橋を渡り、階段を登った先に小さな社があります。

神社の由緒については分かりませんが、この田人地区では「小土神社例祭」が行われている様です。

こじんまりとした神社ですが、意外にも木鼻は立派な獅子鼻、良い仕事です。

 (→小土神社紹介サイト「いわきの鎮守様」はこちら

 

・「國魂(くにたま)神社」

大同元年(806年)に菊多国造(きくたくにのみやつこ)が出雲神社から勧請(かんじょう)し創建したとされ、縁結びにご神徳があると言われます(いわき市観光サイトより)。

しかし、現在社殿は令和6年9月まで続く令和の大改修が行われていて、外側には工事用足場が組まれていてその姿を拝見する事は出来ませんでした。残念!

せめて狛犬だけでも紹介を。

立派な眉毛が他の神社にはない唯一無二のお姿、吽形の狛犬には頭の上にちゃんと角がありました。

 (→國魂神社の公式サイトはこちら

 

・「御宝殿熊野神社

大同2年(807年)、紀州熊野神宮より熊野の分霊を勤請されたとする由緒ある神社。

鳥居の前には御宝殿前のバス停があります。

鳥居をくぐると長い長い杉並木の参道が続きます。

広い境内にこじんまりとした拝殿。

でも本殿は立派。

特徴のある本殿の姿は御神輿の様、屋根の向き・造形も独特で迫力があります。

木鼻は獅子と獏、木目を生かした造形は素晴らしいデザインです。

 (御宝殿熊野神社の公式サイトはこちら

 

・「小名浜鹿島神社

延暦20年(801年)、坂上田村麻呂が東征の折、常陸国鹿島宮の分霊を勧請(かんじょう)したとも伝えられている小名浜の神社。

拝殿は鮮やかな朱色、ひときわ目を引きます。

本殿は拝殿とは分離された珍しい形態です。

本殿には見事な彫刻。

広い境内には立派な境内社も。

欄間も木鼻も見事な彫刻、獅子鼻はかっこいいです。

 (→小名浜鹿島神社の紹介サイトはこちら

 

・「若宮八幡神社

いわき市には若宮八幡神社と名の付く神社が多数存在しますが、これは小名浜大原にある神社です。

参道の急な階段を一気に登るとその先に社殿があります。

社殿はコンパクトですが綺麗に整備されてました。

ここの獅子鼻も良い仕事、造形は「小名浜鹿島神社」譲りです。

境内からは小名浜の町が一望され、良い眺めです。

 (→若宮八幡神社紹介サイト「いわきの鎮守様」はこちら

 

・「延喜式内社住吉神社

延喜年間(901~923年)に作成された書物に記録されている神社「延喜式内社」で、全国住吉神社七社の一社。

神社に続く道には車がくぐれる大きな鳥居。すれ違いは無理でしたが。

神社の鳥居は両側に控え柱を持つ明神系の豪華なものです。

鳥居から御神橋、神門を経て拝殿へと続きます。

拝殿は昭和60年に改築された新しいものでした。

拝殿の木鼻は近年の作らしく適度な省略形となっていました。

これが、寛永18年(1641年)に建立された本殿となると見事な彫刻にガラリと変わります。

その出来には思わず見とれてしまいます。

重要文化財にも指定されている本殿は、まさに芸術品でした。

 (→延喜式内社住吉神社の公式サイトはこちら

 

・「金刀比羅(ことひら)神社」

「いわきのこんぴらさま」として親しまれる神社。

広い敷地の中に駐車場と参道が続いています。

階段を登るとこんな看板、ここには複数の神社が建立されていました。

向かって右側には「磐城天満宮・長松(ちょうしょう)神社」、菅原道真公をご祭神に祀る「磐城天満宮」と、弓の名手と言われる鈴木吉之丞霊神を祭神とする「長松神社」が合祀されています。

その隣には、坂上田村麿が蝦夷征伐の際に諏訪大明神を勧請して祈願したのが始まりとされる「諏訪神社」。

その先に「金刀比羅神社」の鳥居が現れます。

広い境内に豪華な社殿がありましたが、この社殿は御鎮座500年を記念し、平成8年(1996年)に再建されたものとの事です。

拝殿が豪華過ぎて、肝心な本殿はよく見えませんでした。

境内の端っこに「さざれ石」がありました。

立て看板の説明によると「君が代」に詠われているあのさざれ石との事ですが、こんなものがいわきにあったのがびっくりです。

 (→金刀比羅神社の公式サイトはこちら

 

・「白水阿弥陀堂

いわき市にある国宝建造物として有名ですが、昨年2023年9月8日、東北を襲った台風13号の大雨により近くの新川が氾濫して本堂は水浸しになりました。

幸い国宝の仏像には被害がなかったのでその後10月1日から拝観を再開したと聞いたので、いわきに行ったらぜひここを見ておこうと思ってました。

阿弥陀堂は浸水個所の修理はなされていましたが、阿弥陀堂を取り囲む浄土庭園には水害の傷跡がまだ生々しく残っていました。

庭園の池には重機が入って現在も修復作業を行っていました。

ただ本堂内の仏像が無事だったのが不幸中の幸いで、今後の復旧を祈りつつ阿弥陀堂を後にしました。

 (→白水阿弥陀堂紹介の「いわき市観光サイト」はこちら

 

福島県南部から栃木県北部を周る二泊三日駆け足の神社巡りの旅はこうして終わりましたが、それにしてもいわき市には神社が多い! その数なんと318社

いわき市はまるで神社のテーマパークです。↓当然これだけの日程ではとても周りきれず、近々いわき市をまた訪れるつもりなので、その時は今回見逃した所を尋ねてみようと思います。

今回の旅の行程は下記の通り、全走行距離は640kmでした。

 

今マイブームとなっているモノクロ写真の一枚は「延喜式内社住吉神社」本殿の四天王。

ここでこれほどの彫像が見られるとは思いませんでした。

 

 

旅の前に、震災の津波で被災して以来13年ぶりに再建されて「安波(あんば)祭」が行われたというニュースを見て、帰路の途中浪江町の「苕野(くさの)神社」に立ち寄ってみました。

周辺は未だ工事中で社殿の近くには行けませんでしたが、その姿は復興の象徴となるべく、地元にどっしりと腰を下ろすかの様な佇まいに見えました。

(終わり)