杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

13年目

新年早々能登半島を大地震が襲い、改めて地震の恐ろしさを再認識する中で13年目のこの日を迎えました。

地元ローカルの情報番組では2月頃から多くの震災特集が組まれていますが、10年目を迎えた辺りから今年にかけては「伝承」という事をテーマとした番組が多くなりました。

番組では13年目になって初めて公開される映像や、当時小学生だった子が今は成人となり、あの日の記憶を同世代の若者に伝えている姿などが紹介されています。

 

個人的には最近は神社巡りを主とした旅をしてますが、各地を巡ってみるとそこには大小様々な神社があり、それを見る度に神社という存在がその地域に住む人達の「心の拠り所」としてあるのが伝わって来ます。

震災後は人と人との繋がりを指す「絆」という言葉が象徴となり、今もまたそれによって能登の被災地を支援する人達の姿が番組では紹介されています。

ただそれが個人レベルではなく、大規模な震災で地域そのものが壊滅的な被害となってしまった時はそれだけでは足りません。

地域やコミュニティを失った人達に対してはこれからは、人と人との「絆」だけではなく「心の拠り所」となる何らかの象徴的なものが必要になると思います。

 

先の旅行で福島県浪江町の「苕野(くさの)神社」に立ち寄って来ましたが、ここでは2月18日に13年ぶりに地元の伝統行事「安波(あんば)祭」が行われ、地元住民など多くの人が集まりました。

古の昔から祭りというものはその地域の人々を結び付け、その中心には常に神社の存在がありました。

そこは集いの場所であると同時に、人々の「心の拠り所」としての場でもありました。

各所の震災復興の有様を見てくると、『物の復興』が落ち着くと次には必ず『心の復興』が待ち構えています。

失われた地域・コミュニティの復興を考える際には、故郷を失った人達が再び集える「心の拠り所」となる場所や象徴となるものをいかに作り出せるか、この視点を忘れてはならないと「苕野(くさの)神社」の佇まいを見て深く感じたのでした。

 

これまで旅行ではできるだけ震災遺構という場所を訪れる様にしてきましたが、気が付けばいつの間にか「伝承施設」というものが各地に出来ている事を最近知りました。↓

サイト内では施設位置を紹介するマイマップもあるので、これからはこのマイマップを共有して旅行ルートを検討しようと思います。