2012年11月17日、震災から1年8ヶ月、681日ぶりに石ノ森萬画館がReOPENしました。そこで12月2日の日曜日、悪友と共に再開した萬画館を訪れてみました。
昨年の12月11日に訪れた時は、その壊れ方の深刻さに果たして再開出来るのか大いに心配したものですが、あれからほぼ一年、萬画館は見事な復活を果たしていました。
前回訪れた時はまだこんな具合でしたが、
今回はエンブレムもしっかり修復され、
津波で流されていた「シージェッター海斗」も見事に復活していました。
津波で洗われてしまった前庭も、
綺麗に芝が張られ、今まで館内にいたロボコンもお庭で出迎えています。
多くの激励が書き込まれていた玄関口は、
再開の歓迎垂れ幕に変わっていました。
受付にはとっても可愛い003嬢が。
(掲載許可お願いするの忘れてましたので、小さくご紹介(^^;))
館内は復活お祝いモード、こちらも思わずうきうきしてしまいます。
今回は復活した展示に加え、震災直後から復活までの道のりを展示するコーナーもあり、あの手作り壁新聞「石巻日々新聞」も展示されていて、それらを読む内に胸にぐっと来るものがありました。ここはぜひとも多くの人に見てほしい所です。
更に今回配られていた萬画館のパンフには、「3月23日、リニューアルオープン」とも書かれており、どうやら常設展示物が一部リニューアルとなるみたいです。これはまた来なくては。
萬画館隣の中瀬公園では、北上川護岸整備に使う基礎の石にメッセージを描く催しが行われていました。
この日も多くの石にメッセージが書き込まれていました。
萬画館の横の土手には「絆のバラ」が植えられていました。暖かくなったら、ここにも色とりどりのバラが咲いている事でしょう。
と、館の周りに人だかりが。
係員さんに聞くと、丁度「からくり時計」が動く頃との事で、こちらも見学を。
丁度12時、中から石ノ森キャラ達の登場です。
あの龍はもちろん「龍神沼」ですね。
萬画館の中洲の川向こうに、新しく「石巻まちなか復興マルシェ」という仮説商店街が出来ていました。昼食はそこでとる事に決定。
中はステージやらお土産屋さんがいっぱい。この日は団体さんなのか、割と年配の人達が多かったです。
お昼は萬画館の中のポスターにあった「石巻餃子道場」で、「円盤餃子」セット(焼き餃子20個、水餃子2個、ごはん一杯)@880円を。
水餃子は中でつぶして醤油・お酢などで味付けしてお汁とする仕様、なるほどです。
そしてこの餃子が絶品、噛むほどに旨味が口中に広がり、何個でもいけちゃう感じで箸が止まりません。石巻に来るのならぜひこちらにも。
街中もどうなっているのか、ちょっとぶらぶらしてみました。
石巻市ではお気に入りの建物「観慶丸商店」も、津波でやられていた一階部分はちゃんと修理されていました。でも震災前とはちょっとデザインが変わったようです。
(震災前)
(今回)
街中のお店入り口には、萬画館ReOPENのポスターが。こんな風景が至る所に。
津波でやられたビルの壁には芸術的ならくがきが。
こんな所にいたのか、ロボコン。
そして気になっていた「サンファン館」にも寄って見る事にしました。
その途中で見かけた横断歩道橋には津波到達点の表示が。こんな高さにまでと思うと、改めてその規模に驚きます。
そして案の定、「サンファン館」は一年前と変わらず未だ閉鎖中でした。
ここの一階にある展示物はほとんど津波で持っていかれたと聞きますが、ここの復旧はまだまだ時間と予算がかかりそうです。
仙台に帰る途中、これも気になっていた石巻港周辺も走ってみました。
すると以前来た時は舗装路だった所が、今回は一面でこぼこ道となっていました。
これはおそらく、この地域一体かさあげ工事が行われているためだと思われます。
遠くでは仮設のがれき焼却場と思われる所から煙が何本も。この日は日曜日ですが、もう土日なしの24時間体制で焼却作業が行われているようです。
ここの仮設焼却炉は全5基が10月23日にフル稼働となり1日1500トンを処理しているそうですが、仙台市でも石巻市のがれき10万トンを受け入れる事を7月に決定して順次処理を始めています(→参考)。
が、それでも石巻ブロックだけでまだ300万トン以上の量があり、まだまだ先は長い上に、おまけに更にこんな光景を見てしまうとまた考えさせられてしまうのです。
津波でやられてしまった車が無造作にただ積まれています。これなどこれから一体どのように処理すると言うのでしょうか。
海岸端を走るとあちこちにまだがれきが積まれたままの所を見かけます。
地元ローカルのニュースでは、ようやく高台移転の候補地が決まったという段階であり、本格的な復興はまだまだこれからという状況です。
そんな中で石ノ森萬画館の再開は本当に嬉しいニュースであり、これが地域の人達の希望の光となる事を切に願うものです。
(関連エントリー)
・「石ノ森萬画館に行く」
・「一年ぶりに石巻に行く(前編)」
・「一年ぶりに石巻に行く(後編)」