杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

平石式生ゴミ処理の原理

この所天候も安定してきて、平石式生ゴミ処理器も順調に機能しているようです。
とは言っても、たまの雨の日などは雨除けにポリ袋をかけているのですが、その次の日となると写真のように表面にはびっしりと綿毛のようなカビが生え、初めの頃などは思わず引いてしまったものです。

  (クリックで拡大)

でも原理的には実はこれが正解。気にせずガンガンかき混ぜてしまいましょう。
という事で、今回は「平石式生ゴミ処理」の〈理論編〉です。
とは言っても私は菌の専門家でも何でもありませんし、これから述べる理論についてはあくまであちこちのつまみ食いですので、もしかしたら専門家からきびしいツッコミが入るかもしれません。
まあその程度のものと思って下さって、怪しいと思った箇所については各自調べていただくよう初めにお願いしておきますね(はいはいそうです逃げです私が悪うございましたあなたの言う事はすべて正しい!)。

この生ゴミ処理は言うまでもなく微生物の力を利用しています。
微生物はざっと分けまして、酸素のある環境で生きている好気性菌と、少ない酸素中でも生きていける嫌気性菌とが存在します。
嫌気性菌はさらに、酸素中では生きていけない「偏性嫌気性菌」と、多少の酸素があっても大丈夫な「通性嫌気性菌」とに分けられます(乳酸菌とか酵母菌ですね)。
そしてこの嫌気性菌たちは炭水化物などを分解してアルコールや酢に、さらに分解が進むとメタンや水素・炭酸ガスなどにし、この中で人間に役立つものを「発酵」、それ以外のものを「腐敗」と呼んでいるのですね。

一方好気性菌の方は、酸素のある条件下で有機物の酸化分解を行い、最終的に水と二酸化炭素炭酸ガス)にまで分解します(かびなどの糸状菌とかこうじ菌、納豆菌で知られるバチルス菌など)。
「平石式生ゴミ処理」では、この好気分解を利用している訳です。
そのメカニズムついては平石さんのHPで詳しく紹介されています。↓

 

え~っと…(^^;)

あまりにも専門的すぎてよう分かりませんけど、まあとにかくこういう風にして水と炭酸ガスになるという事で(←をい!)。
原理的には好気性の堆肥作りと同じですので、こちらの説明も参考になると思います。

さて、では実際どうなるかといいますと、ここで我が家の実例を紹介してみましょう。
処理が進むように毎日土をかき混ぜていますと、やがて土の中からチョークの粉がはみ出たような塊がごろごろと現れます(写真中央の部分)。

  

果たして中はどうなっているのか、腐った残飯でも残っているのだろうかと恐る恐るその塊を割ってみました。すると、

  

中から現れたのは白いチョークの粉のようなものと、「湿った土」だけでした。
つまりこれが分解した菌群の姿で、投入した残飯は見事に水と炭酸ガスに分解されていた訳です。

しかし好気性菌たちはその分解の過程で酸素を必要とします。
従って分解が進んでくるとその周辺はだんだん酸素不足になってきます。
そして酸素が足りなくなってくるとやがて彼らは活動を止め、代わりに嫌気性菌たちが活動するようになり、そのままでいると最後は「発酵」か「腐敗」という事になってしまいます。
つまり毎日土をかき混ぜるというのは、分解で生じた水分を蒸発させるのと、新鮮な酸素を送り込むための重要な作業なのですね。
ちなみに我が家では、朝・昼・夕方の三回かき混ぜ作業を行っています(実際は一日一回でも大丈夫との事ですが)。

さてここまで実際行ってきまして、またまた分解しにくいものが出てきました。
それは「じゃがいもの皮」です。
これに限らず、元々土の中で育っている根菜類の皮などは分解は遅いようです。これらを投入する場合はなるべく細かく切った方がいいようです。
逆に魚の骨や皮、炭水化物、肉類などは分解は早く、少量ならば一日で分解されてしまいます。

そこで試しに、また大胆な実験を行ってみました。
これはどうなるだろうと思って、「サンマの頭」を丸ごと二個入れてみました。
先週の月曜日に投入したのですが、写真は二日後の水曜日のものです。↓

   

この時はまだしっかり頭の形は残ったままでしたが、それから毎日かき混ぜ作業を繰り返した結果、日曜日には見事二個とも消えてなくなりました。
いや、これはちょっと感動ものでしたね。

今の所はまだ実験のつもりで投入は不定期ですが、これからだんだん寒くなってくる事もあり、投入量などを調整しながらまた観察を続けたいと思います。
実験はまだまだ続く。


 (*画像掲載については平石さん本人の了解を得ております。)