これ何と、「ニセ科学」そのものズバリの授業です。
そこで使用されていたレジュメがとても分かりやすく良い出来なので、ここで改めてご紹介致します。
「情報社会と科学」(2009年度授業分)
・血液型性格判断と「信じる心」
・もっと勉強するために
・マイナスイオンと健康
・もっと勉強するために
・水からの伝言
・もっと勉強するために
・「UFO・宇宙人」「波動」
・もっと勉強するために
作成したのは長崎大学教育学部数理情報講座の長島雅裕さん、いや素晴らしいお仕事です。
この「ニセ科学」というもの、今でこそネット内で盛んに議論されたり各地でフォーラムも行われたりしているのですが、そろそろ本格的に学校教育の現場で取り上げてもいいのではないかと常々思っておりました。
ここで取り上げられているのは「ニセ科学」の代表選手ですが、何せその応用範囲といったら物理・化学などの理系分野に限らず、心理学・社会学・経済学・経営学(マーケティング等)・法学・医学・栄養学など多岐に渡ります。
つまりそれほど裾野も広く、そして過去のものでは決してなく、実はいつの間にか社会の中にじわじわと浸透してきているのですね。
だからこそこれは学部の枠を超えて、すべての学生達に一般教養課程で教えるべきものだと思うのです。
このレジュメの初めのページにはこうあります。
・ 世の中、情報が氾濫しています。「情報を吟味する術」、今の大人達は果たしてどれほど持っている事か。
・ 正しい情報、間違った情報、重要な情報、不必要な情報、
玉石混交です。
・ だまされないために、そして、知らず知らずのうちに、あな
たが他人をだますことのないように、情報を吟味する術を
持たなければなりません。
怪しい情報を垂れ流すマスコミ、何の疑いも抱くことなく信じ込む人々、悪徳商法の被害は後を絶たず、密かに忍び寄るカルトの影。
「ニセ科学」とは、実は社会問題であるのですね。
勿論こういう授業はapjさんの所では以前から行ってはいるのですが、全体の中ではまだまだ一部と言わざるを得ません。
長島さんのお話によりますと、長崎大学教育学部では賛同する教員の方が分担して、来年度からは一般教養で半年丸々ニセ科学に関する授業を行う事になっているそうです。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。
このブログを読んで下さった方、もしご自身のブログをお持ちなら、このレジュメをどんどん周りに紹介してやって下さい。
今回快く転載許可を下さった長島雅裕さんに深く御礼申し上げます(長島さんのHPはこちら)。
このHP中の「ソフトウェア活用法」の中の「グラフの作り方」の教材として、少年犯罪の動向や血液型性格判断について(乱数を発生させて偶然に偏りが出ることを説明)も取り上げられています。
なかなかやりますね(ニヤリ)。