杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

最強の「旅カメラ」を考える (1)

この夏、カメラメーカー各社からデジカメの新製品が続々と発売され、コンパクトデジカメ(コンデジ)ファンの私にはかなり気になる機種も登場しました。

自分は現在フジのX-S1を愛用してますが、フジ独自の2/3型CMOSセンサー 、35ミリ換算で24~624ミリ(F2.8~F5.6)の26倍手動ズーム等、その独創性と写りの良さは気に入っており、旅カメラとしてはまさに最強と思っています。
しかしそれでも、実際に旅先で使ってみると色々と不満点が出てきている事も事実です。
そこでどんなカメラが旅カメラとして理想的なのか、旅カメラに必要な機能とは何か、その辺りをフジX-S1を基準にして考えてみました。

自分のカメラの使用状況としましては日常のスナップや日々の記録としての用途が一番多く、見た目はごついですがコンデジの感覚で気楽に扱えるカメラで、買ってから3年が過ぎた今ではすっかり手にも馴染んでいます。
 
特に26倍手動ズームについては電動ズームの様なもたつきもなく、自分の望む画角にぴたっと決められる気持ちよさは、まさにデジ一眼を操作している感覚です。
これはある日街中で撮ったものですが、頭上で何か音がしたので上を見上げたらこんなものが浮かんでいました(クリックで拡大)。
24mm、1/850秒、F5.6、ISO100
 

すかさず最望遠で捕えるとここまで寄る事が出来ます。
624ミリ、1/350秒、F6.4、ISO100
 

X-S1の魅力は何といっても、この2/3型撮像素子専用に設計されたフジノンレンズにあると言っても過言ではありません。
カメラの開発ストーリーなど見ますと、ボディと一体化されたからこそ可能となった高倍率化である事が分かりますし、遠くて近づけない場所にも気軽に寄る事が出来るのは本当に便利です。
例えば高台から撮ったこの風景ですが、
1/500秒、F4.5、ISO100
 

手前側の花をアップにすれば望遠マクロとなり、9枚の絞り羽根によるボケ具合も中々のものです。
1/340秒、F5.6、ISO100
 

最近は自分でホワイトバランスなどをマニュアル調整したりしていますが、カメラ任せのままでもそこそこきれいな写真に仕上がるのはさすがXシリーズと思わせます。
1/125秒、F3.2、ISO100
 

1/26秒、F2.8、ISO400
 

1/5秒、F2.8、ISO800
 

いずれも手持ち撮影で、さすがに夜間撮影ではそれなりに注意が必要ですが、ブレ軽減モードも手伝い、これ位のスローシャッターでも何とか写せる様にはなりました。
素数はいずれも「M(ミドル)」の525万画素(画角3:2)ですが、L版プリントやPCで見るだけならばこれで充分と考えており、大抵の場合はいつもこの画素数で記録しています。

また自分はちょくちょくフレーム内に太陽を入れてしまうのですが、フレアやゴーストなどもあまり目立たない最小のレベルに抑えられているのが自分の中では高評価となっています。
1/1300秒、F8、ISO100
 

1/2400秒、F8、ISO200
 

1/1000秒、F8、ISO100
 

もちろん良い事ばかりではなく、撮影中に思わずいらついてしまう様な欠点もあります。
一番の問題がオートフォーカス方式で、このカメラ、コントラストAFなのです。
コントラストAF方式の一番の欠点が、コントラスト差が目立たない暗いシーンでは極端に合焦速度が遅くなり、中々ピントが合わなかったりとか、或いは自分の望まぬポイントにピントが合ってしまったりする事です。
ために数々の失敗写真も撮る事になる訳ですが、それについては改めて(2)の方で詳しく述べていきたいと思います。
(2)に続く)