杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

マイナスイオンは「癒し」の言葉

明けましておめでとうございます。
晦日からずっと飲み続け、そろそろ体力的にもきつくなってきている今日この頃であります。

それにしても「嵐」、凄いですねぇ。
うだうだとお正月番組なぞ見ていますとやたらと彼らが目立ちます。そう言えば今までSMAPの牙城であった「テレビガイド」や「ザ・テレビジョン」の表紙も今年は彼らが取って代わりましたね。
芸能関係には疎い私ですが、流石に彼らの事は分かります。「金田一少年の事件簿」は毎週欠かさず見ておりましたし、彼らが行う実験の数々には腹を抱えて笑い転げたものです。
そこで最近ちょっと気になっているのが「マイナスイオン」という単語の使われ方なんですね。
ウェブなどを見ますと「マイナスイオンリーダー大野くん」とか「マイナスイオン出しまくり」なんて言葉がファンの間で使われているようです(→参照)。

昔「マイナスイオン」が流行った頃は「健康に良い」というふれこみだったのですが、これが最近では皆「癒し」の同義語として使われているのですね。
丁度男子が可愛い女の子のイラストに「萌え~」と言うのと同様に、女子が「癒し」を感じる男子に対して「マイナスイオンの人」などという具合に使われているようです。

確かに「健康に良い」などとと言うと、今では体温とか脈拍、血液データなど根拠となる具体的な数値の提出を求められます。
事実、「ナノイー」とか「プラズマクラスター」とかのメーカー独自に開発されたものについては、各社とも様々な研究や実験を行って具体的な数値の捻出に苦労している訳ですが、そんな事が出来るのも大メーカーならではであり、名もない弱小メーカーなどにはとてもマネは出来ない事です。
その点「癒し」となると、これはもう個人の気分や感覚ですからそんな数値の提出なんか必要なくなる訳で、そうなると宣伝する方としてはこんな便利な単語はない訳です。
それが今度は、これが芸能人のイメージとも結びつき相乗効果も期待出来るという状況が整いつつあります。
そしてまた、かつてのマイナスイオンブームは人々の心の中にしっかりある種の〔イメージ〕を形作っています。現に今でも旅情報のサイトなどでは何の疑問もなく使われています(→ここなど)。

実はこの〔イメージ〕というのが重要で、怪しい言説やら怪しい商品などは皆この〔イメージ〕を巧みに利用して人々の心を捕えているのですね。
そして〔イメージ〕は勝手にどんどん増殖していきます。やがてそれが何の疑問もなくスタンダードとして受け入れられる、実はこれが一番恐い事なのですね。

本来ならば芸能人に対して「マイナス」という単語が使われるのはそれこそマイナスイメージだったのですが、今では「マイナスイオン」というのは間違いなくプラスイメージであり、すでに人々の心にはそれほどのイメージが出来上がっているという事です。
ですから批判する際はよくよく注意しなければ、それこそ逆に総スカンを喰らう事にもなりかねません。

マイナスイオン」とは今、慢性的な不況の中、疲れきった人々が「癒し」を求めている状況を反映した、時代のキーワードとなっているのかもしれません。

という訳で、今年もこんな感じでつれづれに書き綴っていこうかと思います。
皆さん今年も宜しくお願い致します。



こんなんありました。↓

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僕は【30%】だってさ、ちえ!