ちょっと前の事になりますが、11月1日に日本橋川でのEM活動についてのエントリーに、しのぶさんという方から以下のようなコメントをいただきました。
でもまだ千代田区はEM活動続けてるみたいですね。ということは一定の効果を感じているからなのでは?どうなんでしょう。
日本橋川の浄化活動については私もその後の状況が気になっていました。おまけに、COP10にて配布された「EM実践資料集2010(pdf)」のP.11~12では、日本橋川の様子が以下のように紹介されています(強調は引用者による)。
悪臭がなくなり、小魚が泳ぎ、水鳥が飛ぶ川へ。
EM活性液の投入から数ヶ月で悪臭はまったく感じなくなり、ヘドロも減少しはじめました。ミジンコやイトミミズ、ゴカイなどが発生し、小魚が群れをなすような劇的な変化が現れました。また、それらを餌とする水鳥等も見られるようになり、様々な生き物が住める川へとよみがえってきました。浄化活動は現在も継続中で、多様な生態系の復活が期待されます。
これを読むと、日本橋川はとうに清流を取り戻したかの様な印象を与えるものとなっており、当該エントリーの内容とは随分違う様に感じられます。
そこでしのぶさんの疑問にお答えするため、改めて千代田区に現況を問い合わせてみました。
この度千代田区から返答をいただきましたが、あれからだいぶ時間が経ってしまった事もあり、そこでそちらのコメント欄で答える代わりにこちらで新たなエントリーとして紹介する事と致します。
11月14日に私は千代田区宛てに、一年前に上げたあのエントリーにこのようなコメントがなされた旨と、現在の日本橋川の状況について箇条書きの質問形式にしてメールを送りました。
それからしばらく時間が経ちましたが、12月24日に千代田区からようやく返信が届きました。
内容は丁寧に書かれていましたので、書式は違いますが出来るだけその形を再現してお届けし、これをもってしのぶさんへの返答とさせていただきたいと思います。
OSATO様
11月14日にいただいたご意見について下記のとおり回答いたします。
記Q あれから一年経ちましたが、
・その後水質の改善はあったのでしょうか?
・あった場合、それはEMの効果と言えるのでしょうか?
A 河川水質は、区の環境担当部署で年4回の調査を行っていますが、数値を年平均で見ますと、その後も変化はありません。
Q EM活性液の投入は当初、時限付きの実験という事で始められたはずですが、
・この実験はいつまでお続けになる予定でしょうか?
A 投入実験は、市民団体(「NPO日本橋川・神田川に清流をよみがえらせる会」及び「名橋日本橋保存会」)が実施し、区はEM液流入装置の設置場所を提供しています。お尋ねのとおり当初は平成18年12月から2年間の時限で貸与したものですが、団体からの延長申請を受け貸与期間を延長しています。
当該団体からは、他の活動団体や環境報道等からの情報を得て、EM以外の浄化方法も研究中との話を聞きますが、具体的な行動はありません。
Q また、近年では川のヘドロの浚渫作業も行われているようですが、
・この作業はいつ頃から行われているのでしょうか?
・これによる水質への影響などの調査は行われているのでしょうか?
A 平成19年~21年に、千代田区からみて日本橋川下流の中央区流域で東京都が浚渫作業を行いました。
浚渫による前後の水質調査の有無は確認できていません。区の水質検査は千代田区内流域での定期検査ですが、この検査数値結果からは、浚渫前後のデータに大きな変化はありません。なお、神田川の浚渫は近年実施されていません。
Q そして最後に、ブログコメントになされた質問を改めて私の方から質問させていただきます。
・EM活動を続けているのは、一定の効果があると認められたからでしょうか?
・効果があると認められるなら、その効果を具体的に教えていただけないでしょうか?
A 水質調査データに変化がないことは、実施団体でも認識しています。 当該団体が他の浄化方法も研究中であることは前述のとおりです。
なお、回答が非常に遅くなりご迷惑をおかけいたしましたこと深くお詫び申し上げます。
この回答について、私からこれ以上言う事は何もありません。
しのぶさん、これでよろしいでしょうか?