杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

引退したYS-11 152号機を作る

5月29日、愛知県の小牧基地航空自衛隊所属のYS-11 152号機がラストフライトを行い、1965年の就航以来50年以上のお勤めに終止符を打ちました。
このニュースは各所で紹介されましたが、これを機会にまだ手付かずだった食玩を作ろうと思い立ちました。

 たまたまF-toys「日本の輸送機コレクション」航空自衛隊YS-11を持っていましたので、これに152号機のデカールを貼ればそれで完成となるのですが、ただこのモデル、モールド的にちょっと問題がありました。
YS-11と言えばあのスマートなエンジンカウルが特徴なのですが、このモデル、これの造形がイマイチなのですね。
実機形状ではこの様にスマートですが(写真はこちらからお借りしました。)、



モデルの方ははめ込み式の分割となっていて、ストレートに組み上げるとどうしてもそこの段差が目立ってしまいます。



モールドもオーバー気味で、まあ1/300というスケール上仕方ない所もあるのですが、今回はこのエンジンカウル形状を整えるべく小改造を行いました。
改造と言ってもただエンジンカウルの部品をひたすらヤスリで削るだけなのですが、実際に始めてみるとこれがちっこくて中々に大変でした。



羽にはカウルを付けてからのヤスリがけによる傷防止もかねて、予めマスキングゾルでエンジン周りをマスキングしておきます。



実機のエンジンカウルの下側には割と目立つスジがあり、これもリード線をばらした銅線を瞬着で貼り付けて再現しました。
ここまで整えるまで、毎日ちまちまと作業して結局一週間かかってしまいました(^^;)。



プロペラはカウル接着後に差し込む様にし、カウルの中には予め軸受け部品を仕込んでおきますが、それが奥まらないように差込側にはランナーなどで底上げしておきます。



接着にはゼリー状の瞬間接着剤を使用しました。
敢えてはみ出した状態にしてこれをパテ盛りの代用とするのですが、食玩などの小スケールモデルの組み立てではいつも重宝しています。



削り終わった状態、工具には精密ヤスリやリューターを使用しました。
削り具合は実機の写真を見ながらの目分量です。



エンジン後部の排気口もちょっと掘っておきます。



中を黒く塗ってそれらしく。
本当は実機のこの部分はもっとスリムなのですが、さすがにそこまで改造する気力はありませんでした(^^;)。



調整完了。モデルに習ってクロームシルバーを塗りましたが、色の差は敢えて見ないふり。
モデルのシルバーは綺麗過ぎで実機の色はもっと渋い色ですが、流石に全部塗り直す事は無理でした。



ついでに、前輪部も小改造。前側に出っ張ってる部分を削ります。



折れない様に要注意。



デカールを貼って完成、やっぱり削った後が目立つなぁ…。いずれペーパーヤスリで再仕上げしましょうかね。
それよりも、元々の青のラインがずれてるのがショックです(^^;)。
(クリックで拡大 ↓)

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以前作った飛行点検機YS-11(ストレート組み)と並べて。
こうして見ると、苦労した割にはエンジンカウルの雰囲気はあまり変わらないなぁ…(^^ゞ。

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YS-11は日本が生んだ名機です。
F-toysさん、今度はぜひともYS-11EBなどの情報収集機とか、或いは1/144のビッグスケールで決定版でも出してくれませんかね。