杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

東松島市T-2モニュメントを作る

2013年の新年を迎えた1月6日、今年最初の石巻訪問をしてきました。
その帰り道、以前東松島市の復興祭りに行った時に車の中から見てびっくりし、いずれゆっくり見てみたいと思っていたT-2ブルーインパルスのモニュメントに寄ってきました。
これはJR仙石線鹿妻駅の向かい側に保存されているもので、あの津波により鹿妻駅は現在不通となり、この区間代替バスが走っているという場所なのですが、このモニュメントはあの津波にもしっかり耐えたのです。





後面から見ると機体がやや傾いて取り付けられていますが、これ、離陸直後にすぐ旋回動作に入るという場面を再現しているのはないかと思われます。
遠目からみるとまさにそんな具合に見え、今まさに力強く飛び立とうとしているその姿は、津波被害を受けた東松島市の復興のシンボルの様にも映ります。



この姿を何とか模型で再現出来ないものかと思い立ち、手持ちの食玩を見てみたらこの機体のデカールも付いていたので、2013年初作りとしてこのT-2モニュメントを作る事にしました。
そこで新春一発目のブログネタとして、今回はその製作過程の紹介なんぞを。

あ、言い忘れましたが私、いわゆる出戻りモデラーと呼ばれる人種でございます、一応σ(^^)。

用意したのはF-トイズから発売されている食玩「あの日の、ブルーインパルス」のT-2、今回はこれを使用します。



ただこのモデル、操縦席がスカスカでして、実機を見ると操縦席の赤いヘッドレストや非常脱出メカなどが外側から見え、これが良いアクセントともなっていますので、まずは操縦席周りのディテールアップを行う事としました。
座席にいるパイロットを取り外し(ピンセットですぐ取れます)、座席後部の赤いヘッドレストプラ板で取り付け、さらに背面の非常脱出用のメカをプラ板や伸ばしランナーでそれらしく作ります。





色を塗るとこんな具合、何かそれらしくちゃごちゃしていればOKとします(実機はこんな具合です)。



モニュメントは増槽や翼端のミサイルランチャーがはずされてるのでこれも再現しなければならないのですが、このモデル、どちらも一体構造となっているのでこれを削り落とさなければなりません。



翼端はこんな形、実際の翼端はランチャーにはめ込む形なので、これも実機の写真を参考に成型します。
くれぐれも単純にランチャー部分を切り落としてはなりません。



翼下面の増槽受けはひたすら根性で削ります。



そしてモニュメントはエンジンもはずされ、そこを赤いフードで塞がれています。
これの再現ですが、まずは一体構造になっているエンジン部品のノズル部分を切り取ります。



この間に翼下面はしっかりペーパーをかけ、新たに色を塗り直しておきました。



取り外したエンジンの元に赤く塗った丸ランナーを貼り付け、その周りを薄い紙で囲みます。この覆いをしないとこのモデルでは向こう側が筒抜けとなってしまうのです。
丸く囲ったのはPCのプリント用紙を使用し、そこにプラカラーで黒く塗って固くしました。紙を使ったのは出来るだけ肉厚を薄くしたかったからです。



側面の空気取り入れ口も塞がれているので、それは粘土を詰めたのに赤く塗装して再現しました。



出来上がった後部、スモーク発生装置の管も伸ばしランナーで取り付けます(私らの年代は、何かと言えば必殺伸ばしランナーなのですね)。



さてこのモニュメント、訪れた時は右側面しか見なかったのですが、後で反対側を調べてみたら、何と空気取り入れ口にスタッフロールが書き込まれていたのですね(→こちら)。
このサイト写真を参考に、この部分はイラストレーターで再現する事としました。



これを高解像度(1280pixel/inchぐらい)で縮小してして写真プリントするとこうなります(作ったのは実際の書体とは違いましたが、これほど小さくなると違いは分かりません)。



このプリントの表面を薄くはがし、木工用ボンドでキットに貼り付けます。
本来ならデカールにしたい所ですが自分にはそんな腕もなく、どうせ一機だけだからという事で、今回はお手軽な方法を使いました。



デカールも貼って出来上がったのがこちら。それらしく見えるでしょうか。



さて今度は特徴ある台座の作成です。これは元がないので完全にフルスクラッチとなります。
まずは設計図の作成から。イラストレーターに撮ってきた写真を取り込み、それをトレースしていきます。



出来たのがこんな具合、これをプリントアウトします。



大きさは現物合わせとなるので、何種類かの大きさの三面図をプリントアウトし、それから切り出したペーパーモデルを組み立て、機体と合わせて大きさを決定します。



いよいよ台座部品の製作、プラ板を削ります。



部品完成、曲面はこれも現物合わせで長さを調整します。



下側台座完成。



今度は機体と台座を繋げるもう一つの台座作り、これはエポキシパテで作りました。
まず適量のエポキシパテにT-2本体を押し付けて機体の型を取ります。
この際、このままだとパテとくっついてしまうので、予め機体にはメンソレータムを薄く塗っておきます。



後はひたすら、実機写真と見比べながらのヤスリがけ、ここが今回一番しんどい作業でした。



後は塗装してすべての部品をドッキング。



最後に台座と機体を固定する金具をプラ板で作り、側面に取り付けて塗装して完成です(クリックで拡大 ↓)。







実機写真と比べてみました。



ここまで作れば、やはりいずれは周りの柵とか立て看板なども立ててジオラマとしてみたい所ですが、今回はひとまずこれで完成としておきます(疲れましたので…(^^;))。
今回は自分勝手に復興支援モデリングのつもりで作ってみましたが、出来上がってみると中々にかっこいい飾りともなりますし、出来ればどこかのメーカーさんが出してくれないものかなどとも思います。

そんな訳で2013年、相変わらずマイペースでやっていきますので、今年も宜しくお願い致します。

(参考サイト)
・「ヒコーキ雲探検」より『JR仙石線鹿妻駅前』(リンク先のブログも必見です)
・「ここにも飛行機バカ」より『資料集 航空自衛隊F-1/T-2』






続き:「T-2モニュメントのジオラマを作る」