杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

新しい「はてブ」に愛着が湧かない

ネット内の様々な情報を閲覧するツールとして、自分はほぼ毎日「はてなブックマーク」を利用しているのですが、7月3日にこの「はてなブックマーク」(以下「はてブ」と称します)の仕様が大幅に変更され、その途端がっかりする事となりました。

 

はてブ」の仕様変更は初めてではなく、過去にも何度かトップページの仕様変更が行われ、その都度ユーザーから不満や苦情・批判などが寄せられていた様ですが(→例えばこちらなど)、正直自分にとってはそれはどうでも良い事でした。
と言うのも、自分は今まではてブ」のトップページなどほとんど見た事がなかった(笑)のですね。

私の「はてブ」の利用目的はその名の通り「自分のブックマーク」のためで、特定の資料収集と自分用のアーカイブをWEB上に作る事を目指していました(その意味も込めて、自分のページには「OSATO倉庫」とタイトルを付けていました)。
そしてブクマ記事に付いたコメント等を参考にお気に入りユーザーを見つけ出し、その人が挙げる記事からまた新たなお気に入りユーザーを見つける、そんなミニSNSの様なやりとりが「はてブ」の魅力でもありました。

ですから「はてブ」で見るのはもっぱら自分の「お気に入りユーザー」欄ばかりで、そもそもユーザーが大勢いれば気になる話題は必ず誰かが挙げてくれていたので、わざわざトップページなど見る必要はなかったのです。

しかし今回の仕様変更で、まさか自分のページとお気に入りページの体裁がこれほど大きく変わるとは思ってもいませんでした。
それでも様々な機能がブラッシュアップして便利になればまだ良かったのですが、正直今回の仕様変更には首をひねるばかりです。

特に自分のブックマークページにおいての機能劣化がかなり目立ちます。
たまたま以前キャプチャした画面が残ってましたのでこれを比較画面として紹介しますが、まず以前はこの様にタイトルからベース色まで自分なりにカスタマイズ出来る様になっていて、他のユーザーの人達もそれぞれ自分のページを自由なデザインでドレスアップしていて、その様はさながら個人ブログを見ている様でもありました。
(クリックで拡大 ↓)


それが今は誰の所を訪れても体裁は皆同じ、白い画面にただその人がブックマークした記事の青と黒の文字列だけが並んでいるという具合で、画面上からはその人の「個性」がまるで感じられなくなってしまいました(比較のため、過去の同一項目を示します。)。



中の表記についても、以前はブクマユーザーのコメントも同時に一覧として読めましたが、新しい画面で見られるのは自分のコメントだけで、他のユーザーコメントはカーソルをそのユーザーアイコンに重ねなければ出てこない様になりました。
そしてまた、コメントの中で参照URLが紹介されていたとしても、この画面からそこに飛ぶ事は出来ません(例として「ohira-y」さんの所に失礼します)。



それを見るには新たにそのユーザーアイコンをクリックして当人のユーザーページに飛び、そこでのコメントのURLをクリックしなければ移動出来なくなってしまったのです。



以前なら自分の画面上のコメントから直接飛べたのが、ここで2段階の余計な手間が必要となった訳です。
それに何より、誰がどんなコメントをしていたか、それを一瞥して確認する事も出来なくなってしまったのが大きな問題です。
アーカイブというのは、目次の様にただ項目だけ示せばそれで良いというものではなく、「その時の空気」というものも確認出来なければ意味がありません。
そのためにもコメント欄の表記は必要で、別のページでは他のユーザーコメントはちゃんと表示されているのですから、マイブックマークページにおいてもぜひコメント表示の復活を望むものです。

また、以前のページではトップに表示されていた「次画面スキップ」アイコンですが、これも無くなってしまいました。

  
これ、昔に遡って資料を探す時になにげに便利だったのですが、今は画面を飛ばすにはいちいち画面下部までスクロールしなければならなくなりました。
何日かネットから離れたりして、お気に入りユーザーのブクマを数日前から逆に遡って見たいという時、以前ならトップに表示されているこのスキップ機能を使い、過去と未来と昨日と今日を行ったり来たり♪出来た訳ですが、新しい方でのスキップ項目は〔最新のページ 次のページ>〕しかなく、行き過ぎてしまって逆から戻り、その画面の上までスクロールしてしまったらもうそれ以上前のページに戻る事が出来ません。
実際しばらくネットから離れていて、久々に入った中で1週間前とか1~2ヶ月前のお気に入りユーザーのブクマを見たいなどという時、一体どうしたら良いのかどなたかお教え願いたいものです。

ブックマークをアーカイブとして保存利用する場合、何より重要となるのは「すばやい検索性」ですが、しかしながら新しい仕様ではこの視点がすっぽり抜け落ちています。
パッと見ただけでより多くの情報を把握するには見た目はよりシンプルにする方が良い訳ですが、これも行の長さ短くして縦長にしてしまったため、長いタイトルや冒頭の内容紹介文などは何行にも折れ曲がり、本来一回の視線移動で済むものが何度も視線を移動する事になり、一つのタイトル内容を把握するのに余計な労力を使う事になります(そもそも冒頭紹介文も長過ぎですが)。
この様に新しいレイアウトは、PCの横長画面上で「俯瞰して眺める」際の視認性が著しく低下しました。

今回の「はてブ」リニューアルの大きな問題点は、

 アーカイブ検索機能の劣化
 ・カスタマイズ機能の省略


この2点に尽きると言えます。

開発の人にとっては新しい仕様は前より便利になったと思っているのでしょうが、この様に逆に使いづらくなった(或いは犠牲になった)部分もあり、開発の方達は果たしてどこまでユーザーの立場を理解していたのか疑問を感じます。
そして何よりも開発者の方々は、「はてブ」というツールに対して一体どれほどの愛着を抱いていたのかという思いを強くします。

例えば新しいスマホを手にし、それに自分好みのケースやアクセサリーを付けたり、ホーム画面もカスタマイズして「僕のスマホ」「私のスマホ」と言える様に育ててきた自分のスマホが、ある日突然ケースもアクセサリーもお気に入りのホーム画像もすべて消え失せ、カスタマイズすら出来ないメーカー仕様の画面になった裸のスマホに代わってしまった。
そんな時、あなたはこのスマホにどんな思いを抱くでしょうか。

はてなブックマーク開発ブログ」など見てみますと、開発の主体はスマホ利用にしか向けられていない様に見受けられてしまうのですが、以前からのPC利用者に向けてのアプローチももう少し気にしてもらっても良かったのではと感じます。

新しくなった「はてブ」については、私自身は今までのアーカイブもあるので引き続き利用していくつもりでいますが、サイトを訪れてあの無駄に空白ばかりが引き立つ画面を見る度に、

 「つまんないサイトになってしまったな…。」

というつぶやきがつい頭をよぎってしまいます。

トップページの表記についてはこんな便利なツールもある事ですし、開発者なら尚更、表記の仕様を変えるなどはどうとでも出来るはずです。
出来れば旧デザインと新デザインを選択出来る様にするとか、トップ画面右上のスキップ機能の復活が技術上難しいと言うのなら、せめて画面デザインだけでももっと自由にカスタマイズ出来る様にしてもらえたら、前の様に少しはまた愛着が湧いてくるかもしれません。
開発者の方にはぜひ御一考を望むものです。