杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

ノートPCをバラす

新しいのを買ったので奥さんにあげたWindows XPのノートパソコンが、最近電源を入れる度にピープー音を発していました。
画面には呪文の様な英文メッセージが流れ、毎回〔F1〕キーを押してXPを立ち上げますが、ネットに繋げると毎回サーバーエラーとなってしまいます。
ふと見ると内蔵時計の表示が工場出荷時の日付け時間(2007年9月 0:03)になっていて、その時間がずれてるために正常にサーバーに繋がらないという状態でした。
そこで手動で日付けと時間を設定するとその時はネットに繋がるのですが、画面はFirefoxのキツネさんが登場し、ホーム画面に設定していたはずの「Google」にもならず、その都度ホーム画面に設定し直すという有様でした。

試しに「パソコン 時計 ずれる」で調べてみますと同じ様な症状で困っている人達の報告が見つかり、どうやら内蔵電池が切れているらしいという事が予想されました。
そこで今日は、思い切ってノートパソコンの内蔵電池の交換をやってみました。
同じ様な症状に悩む人が多い様なので、その時の記録として公開しようと思います。
尚、自分で行う分解作業はくれぐれも静電気に注意し、電源関係はバッテリーも含めすべて取り外してから作業する様にお願いします。すべて自己責任となりますので。

うちのノートPCはDELLの「Vostro1510」という機体で、ネットで探すとその整備マニュアル(PDF)が見つかりました。
通常のディスクトップPCではさほどの作業ではないと言いますが、ノートPCの場合は割と面倒との事だったので、今回はあまり無茶はせずにそのマニュアル通りに行っていく事としました。
でもその内容を見てみますと、内蔵のボタン電池を交換するにはかなりの部品をバラさなければならない事が分かり、マニュアルを読んで思わずクラっと来てしまいました(^^;)。
その行程ですが、
 1) ハードディスクを外す
 2) LANカードを外す
 3) ファンを取り外す
 4) ヒンジカバーを取り外す
 5) キーボードを取り外す
 6) ディスプレイを外す
 7) バームレストを取り外す
 8) 光学ドライブを取り外す
 9) システム基盤を取り外す
ここまで来て、ようやく内蔵ボタン電池にたどり着く訳です。
位置的には底面カバーに隠れた基盤の裏側なのですが、その基盤を外すまでにはあらゆる部品を取り外さなければならなかったのです。

では覚悟を決めて作業に取り掛かりましょう。
まずはPCを裏返して、カバー類を取り外します。見るとファンはほこりだらけだったので、ついでに掃除機で掃除しました。


PC裏面、ファン上方の赤丸囲み部分辺りにボタン電池があるはずなのですが、外側からは取り替える事が出来ないため基盤をはずす必要があります。
その基盤を外すには順番に部品を外していく他ないという訳です。


 1) HDDを取り外します(基本ここからはひたすらネジ回し作業となります)。


 2) LANカードを取り外します(実際の作業手順は先にLANカードを外してます)。


 3) ファンを取り外します。
取り外した部品とネジは、間違えないように並べておきます。


ここからは表面の作業となります。
 4) ヒンジカバーを取り外します。
マイナスドライバーをすき間に差し込み、少し持ち上げたら指を入れ、そおっとずらす様にして外していきます。






 5) キーボードを取り外します。


この時、後の作業のために予め裏側基盤ボードのネジ(3ヶ所)も外しておきます。


キーボードを取り外した状態です。


直角に配置された各種コード(コネクタ)を基盤から抜いておきます。


 6) ディスプレイを取り外す。
初めは別に取らなくてもと思いましたが、結局これを外さないと裏側の基盤がうまく外せない事が分かりました。


 7)バームレストを取り外す。
バームレストというのは「裏蓋(底面)」の事です。ネジが14本もあって、ここでもクラクラです(^^;)。
DELLマニュアルより)
 

バームレストを取り外した状態、あと少しです。


 8) 光学ドライブを取り外す。


ここまでネジを外して、ようやく基盤が取り出せます。
基盤を裏返してみると、ボタン電池は基盤のここに両面テープで貼り付けられていました。




取り外したボタン電池、日付けを見ると「2008.07.28」、こりゃ完全に電池切れです。
  

皮膜を破いてみると中から「CR2032」のボタン電池が出てきます。配線端子はしっかりと固定されていました。


端子をカッターでむりくり剥がし、百均で買ってきた「CR2032」と交換します(電池周りのカバーはそのまま流用します)。
  

  金属端子を真っ直ぐに伸ばし直し、ビニールテープで固定後同じくビニールテープで囲ってしっかりと絶縁します。
  

元の位置に両面テープで固定、後はバラしてきたのと逆の手順で組み立てていきます。


いいかげんネジ回しも飽きました…(^^;)。


組み立て直して電源を入れると、初めは初期設定のための英文画面が現れますが、画面の1行目と2行目の日付けと時間を今日にセットし、セッティング完了の〔F10〕キーを押すとWindows XPが無事立ち上がり、日付け・時間も正常に表示されました。


後はしばらく様子見ですが、今の所正常に作動しているみたいなので、今日の作業はめでたくこれで完了となります。
今回のケースを見てもボタン電池の寿命は大体5~6年位、その時になったら今回の作業を繰り返すか、或いは新しいPCに代わっているのでしょうね。








……ん?








……何かひっかかる……。








あああ、そうか!










元の位置じゃなく空いてるここにセットすれば、もう全部バラす事ないじゃん!








どっと疲れが襲ってきた今日の日なのでした…。