以前から一度実物を見てみたかった「テオ・ヤンセン展」が行なわれていると聞き、今年のGWは6年ぶりに、いわき市の「アクアマリンふくしま」へ行ってきました。
前に行った時は震災から1年も経っていない2月上旬でしたが、その時は館内はまだ一部改装中で、シーラカンス館などは見る事は出来ずにいました(→以前の記事はこちら)。
また、ようやく開通した国道6号線もまだ走っていなかったので、ただそこに行くだけではなく、今回は要所要所に旅の目的立てをしての日帰り旅とする事にしました。
まず初めの目的はこれから。
・ゆりあげの朝市に行く
「ゆりあげ港朝市」は毎週日曜日に開かれているので、出発日はGW前半の4月29日(日)に決定。
当日は快晴、朝7時に着いた時はすでに大勢の人でした。
定番の「セリ鍋」@350円と焼きおにぎり@200円で朝食、更に今回は豊華の「水餃子」@400円もプラスしました。
水餃子は結構なボリュームで取り放題のキムチ付き、チャーハンもサービスでした(相方の奥さんと分けました)。
朝食後早速次の目的地へ出発。次の目的はこれです。
・震災遺構を見る
ゆりあげ港から海辺に沿った県道36号線を南下し、一路山元町の「千年塔」へ。
ここで昨年新たに設置された震災復興を祈るアート作品「へその緒」を見ます。
スェーデンの芸術家の作品だそうです(記事はこちら)。
その向こう側には震災遺構「中浜小学校」の姿。
中に入れないのが残念ですが、外側だけから見ても津波の威力が十分感じられます。
出来ればここも、仙台市の荒浜小学校の様な震災遺構として整備されればと思うのですが、このままだとどんどん痛んでいくのではと気がかりです。
そして次の目的地へ。
頭には6年前の印象がずっと残ったままでした。
・烏崎海岸へ行く
国道6号線を南下、南相馬市から海岸方面へ曲がります。
烏崎海岸へ行く前に、ちょっとお隣の鹿島区南右田の海岸に寄ってみました。
ここには以前「かしまの『奇跡の一本松』」があってそれも見たかったのですが、残念ながら昨年の2017年12月27日に伐採されてしまいました(→こちら)。
このニュースを聞いてがっかりしていたのですが、その代わりここには6年前にはなかった巨大な風力発電の風車が聳え立っていました。
近づいてみると近くまで行ける様でしたので、烏崎海岸に行く前にその根元まで行ってみました。
この風車は、遠くで見てるだけでは中々その巨大さは実感出来ませんが、真下で見てみると改めてその迫力に圧倒されます。
果たしてこれのメンテナンスなどはどうなっているのか、もしまた津波に襲われたらこれはどうなってしまうのかなどと色々な事を考えつつ、烏崎海岸を訪れます。
震災時ここは津波に襲われ、その翌年に訪れた時は堤防はまだ壊れたままで、見るも無残な姿でした。
(2012年2月12日撮影)
6年後の今は、堤防は綺麗に整備されていました。
海岸端には立派な駐車場と休息場。
多くのサーファー達が波乗りを楽しんでいました。
6年前は、かつてはあったであろう町並みが津波で跡形もなくなっていましたが、
そこも現在は綺麗に整備されつつあります。
でも多分、この辺は危険地域として住居の建設は制限されているでしょうから、ここが将来どんな姿になるのか、これからも時々は訪れてみる事にします。
そして6年前はこれ以上行く事が出来なかったその先へ。
・国道6号線を走る
震災前は、福島の海沿いをのんびりと走るのどかな道というイメージで個人的には好きな道だったのですが、あの事故以来途中で寸断されてしまい、全線開通を今か今かと待っていました。
そして分かっていた事とはいえ、帰宅困難区域に近づくにつれ道端からは人の影が消えていきます。
たまに見かける人と言えばこういう方達ばかりです。
(GPSデータによる撮影箇所の地図)
そして「あの場所」を通り過ぎる時は、何とも言えぬ気持ちになります。
そこからしばらくは、震災から7年経っても依然手付かず状態の壊れた建物や、閉ざされた町並みの風景が続きます。
こういう風景を見ると、つくづくあの事故さえなかったらと思わずにはいられません。
やがて帰宅困難区域を過ぎてようやく正常な町並みが戻り、津波の傷口も感じられないくらいに復興した景色が現れてほっとします。
そして次の目的は、
・マリンタワーに行く
いわきには過去何度か来た事があるのですが、実はマリンタワーはいつも素通りで一度も行った事がありませんでした。
そこで今回立ち寄る事にしたのですが、その道すがら、突如こんな歩道橋が現れ驚きます。
その手前には「波立寺」という小さなお堂、ここでちょっと一休みして歩道橋を渡ってみます。
海岸に続く階段の先には「弁天島」、でも階段は途中で鍵がかかって立ち入り禁止となっていました。残念。
そしていわきマリンタワーに到着。
ちょうど園内のつつじが見頃でした。
展望台に上って小名浜港を一望した後は、いよいよメインの目的。
・アクアマリンふくしまへ行く
この日は連休前半の日曜日、アクアマリンふくしまはまさに満員御礼状態でした。
入口を入ると早速現れます。
館内には数多くの作品群が。よくぞここまで作り上げたとつくづく感心します。
館内では多くの家族連れが休日を楽しんでいました。
館内はかなり立て込んで騒がしかったですが、こういう眺めには癒されます。
6年ぶりに見た「アクアマリンふくしま」は、入口に通じるエントランスには「縄文の里」という見学コースも出来ていて、敷地も含めた施設の規模はまさに東北一を誇るものとなっていました。
駐車場の向かい側には新しくイオンコートも建設中で、お隣の市場施設「いわき・ら・ら・ミュウ」と併せ、小名浜港界隈はこれからますます賑やかになっていく事でしょう。
この日は途中の寄り道に時間が取られていわき市内はほとんど見る事が出来なかったので、今度は湯元温泉にでも一泊してまた来ようと思います。
そして慌しく帰宅となりますが、ここで最後の目的。
・常磐自動車道を走る
ここも全線開通以来一度も走った事がなかったので、帰りの道程はこちらを利用しようと考えていました。
片側一車線の対面通行であまりスピードは出せなかったのですが、走る内に見えてくる悲しい風景が。
この日の放射線量は「0.1~3.1μSv/h」との表示がありましたが、事故当時から比べたらよくぞここまで下がったものだと思わざるを得ません。
国道6号線沿いでは山の陰になって福島第一原発は見る事が出来ず、高所を走るとは言ってもこの道でも無理だろうと思っていた所、相方の奥さんが山の陰からちらりと見えた施設を撮っていました。
後でGPSデータを照合してみたら、奥さんが捕えたのは見事に原発そのものである事が分かりました。
ここからも原発が見えるのですね。
これから何十年続くか分からぬ廃炉作業に思いを寄せつつ、慌しく駆け抜けたいわきへの旅は無事終了しました。
この日の走行は384km、仙台からいわきまでの旅は日帰りではきつ過ぎました。
そう言えば「超高速参勤交代」もいわきが舞台だったなと、この日しみじみと思ったのでした。