杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

ツルネンさんへのメール(2)

EMによる環境活動の様子を見てみると、そこに時々議員さんの姿が見られます。
そこには社会勉強のために興味を持って活動を見守っている方もおりますが、中には自ら「信者」となり、EM業者の説明を鵜呑みにして、その宣伝内容をそのまま信じきっている人もまま見受けられます。
これはひとえに、彼らがEM側の情報しか見ていない事によるもので、その姿を見るにつけ私はいつも、議員といえどもただの人であるという事を実感させられてしまうのです。
しかし相手が議員という立場であるだけに、事はそう単純ではなくなってしまいます。

議員には「力」があります。
彼らの考えは議会活動に反映され、そこで承認がなされればそれが町・市・区全体の方針となって推進されるという事になります。
しかしもし議員の理解が間違っていたらどうなるか? 行政は誤った方向に進んでいく事になってしまいます。
それに議員には選挙というものがあり、有権者の意見というものが議員の行動を左右し、一旦市民の活動に関わってしまうと自ずと彼らの目を意識せざるを得ない状況にもなってしまいます。
そうなってしまうと、その活動からは自らは中々抜けられなくなるという危うい状況となってしまうのです。
しかしEMに関わっている議員さん達を見ていると、なぜかそんな危うさを意識している人はあまり見かけません。
つまり一度EM活動に関わってしまうと、議員さん自らが「信者」となってしまい、EM側の観点からしか物が見えなくなってしまうのです。それはもしかしたら、議員であるが故の「正義感」から来るものかもしれません。
このような事例は地方の方でよく見られます。地方ではより地元密着型なので地元の人達とのしがらみも数多く存在し、EM活動が盛んな所では議員さんが先頭に立って推進しているエリアもあるぐらいです。

しかし、これがもし国政の場であったならばどうでしょう? そう考えると、私はちょっと末恐ろしい気もするのです。

メールを送った翌日、早々とツルネンマルテイ事務所から返信がありました。
今までの経験上、大抵の場合返信はメールを送ってから中一週間というのが相場であり、それでも返事が来るだけでもいいほうで、中にはまるで返信もないものも多々あるのが現状です。
返信の相手は残念ながらツルネンさんご本人ではなく秘書のIさんからでしたが、それでも送った翌日に返信が来るというのは異例の早さであり、私はちょっと感激もした次第でした。
気になる返信内容は以下のようなものでした(公開は了解を得ています)。
*                *                *
(7月13日返信)
お便りありがとうございます。
また、大変貴重なご意見をありがとうございます。
ツルネン議員が有機農業関係の集会や勉強会などで申し上げていることは、有機農業
にはいろいろな方法というか名称も、循環農法や自然農法と言われるものもあり、そ
の中の一つとしてEM農法というものがあると言うことで、EM農法だけを推進すると言
うことは、一度も申したことはありません。
また、微生物についてもEMに限らず、その土地、その地元の土着菌というものがあ
り、それを活用することも有機農業推進には大変重要だと話をしています。
ただ、実際に個人としてここ10年近くEM農法で家庭菜園をしているので、その紹介は
しています。
ツルネン議員が政治活動の中で心がけていることの大きなものは、しがらみのない政
治活動です。
そして、今までの議員にできなかったこと、有機農業の推進が今のツルネン議員に
とってのもっとも大きなミッションです。
ご指摘、本当にありがとうございました。
引き続き、ご教授のほどよろしくお願いします。
ありがとうございました。
*               *               *
私はサイトのEM表記についてアドバイスしたつもりだったのですが、返信は有機農業に関する事柄ばかりでサイト表記についてはまるで触れられていませんでした。
そこでその事を確認すべく、私はまたメールを打つ事になってしまいました。
*               *               *
(7月13日深夜 送信)
こんばんは、OSATOです。早速のご返信ありがとうございました。

さて、私が前のメールで書かせてもらいました一つの懸念に対しては、

> ツルネン議員が有機農業関係の集会や勉強会などで申し上げていることは、有機農業
> にはいろいろな方法というか名称も、循環農法や自然農法と言われるものもあり、そ
> の中の一つとしてEM農法というものがあると言うことで、EM農法だけを推進すると言
> うことは、一度も申したことはありません。
> また、微生物についてもEMに限らず、その土地、その地元の土着菌というものがあ
> り、それを活用することも有機農業推進には大変重要だと話をしています。

との事で、決してEM農法だけを見ている事ではないとの事で安心致しました。
ただ、なぜかWEB上に公開されているのはEM農法の勉強会のものしかなく、それで思わずそういう懸念
を抱いてしまった次第です。(参考)↓
http://www.em-hokkaido.org/web/200807p7.pdf
私のような懸念を抱かせないためにも、他の勉強会の模様もぜひ公開していただきたいと願うものです。

それと、もう一つの懸念、特定の業者に対する〔利益誘導〕の件についてはいかがでしょうか?

> ただ、実際に個人としてここ10年近くEM農法で家庭菜園をしているので、その紹介は
> しています。

との極めて簡単なお答えですが、実は先の事よりもこちらの方が重要な事だと思います。
前回のメールでは、つい「EM農法」についても書いてしまったためこちらの問題については後回しに
された感がありますが、私の一番の懸念材料は実はこちらの方なのです。

ツルネンさんのHPを見ますと、EMについてわざわざ一つの項目として取り扱っておいでです。↓
http://homepage2.nifty.com/yugatsuru/em/top.html
さらにこの中では、「EMパンフレット」も丸々そのまま掲載されております。

前回のプリウスの例で申しますと、これはメーカーの作るプリウスのパンフレットをそのまま掲載して
いるのと同じ事です。これが宣伝でなくて何なのでしょうか?

> ツルネン議員が政治活動の中で心がけていることの大きなものは、しがらみのない政
> 治活動です。

との事ですが、これを見ますとどうしても私には大きな「しがらみ」があるのではと感じてしまうのです。
さらにこのコーナーには、「なぜ私がEMに賭けるのか」と題された項目もあります。↓
http://homepage2.nifty.com/yugatsuru/em/em5.html
この中でツルネンさんはこうおっしゃっております。
『 微生物との働きをさらに研究しながらその力によって地球を救うことが可能であると確信している。
だから私はEM技術にすべてを賭けることにした。』

微生物の働きを研究し、それを役立てようとしているのは別に「EM」だけではありません。(参考)↓
http://www.kab.seika.kyoto.jp/introduction/index.html
それなのに【だから私はEM技術に】とおっしゃっております。「だから微生物利用技術に」とはおっし
ゃっておりません。

何度も申し上げますが、ツルネンさんは一般の個人ではなく『国会議員』であります。そして「EM」
というのは、その単語の意味は確かに「有用微生物群」ではありますが、同時にこれはEMメーカーで
ある「㈱EM研究所」及び「サン興産業」の製品であるところの、「EM」という商品の宣伝をしてい
るのと同じ事なのです(たとえツルネンさんにその気がなかったとしても)。

これでもしも(あくまで「もしも」です)関係業者からの献金でも行われていたらどうなるでしょうか?
そうなるとこれは、対決する党にとっては絶好の標的となるやもしれません。
お分かりでしょうか? これはあくまで「危機管理」の問題なのです。

この事をよくご考慮なされて、サイトにおけるEM表記についての見解をお聞かせいただきたく思いま
す。

乱筆乱文にて大変失礼致しました。

ツルネンマルテイ様へ
     OSATOより。
*                *                *
さてどのような返答が帰ってくるのか興味を持って待っていた所、翌日次のような返信が帰ってきました。
それはいとも簡単なものでした。
*                *                *
(7月14日 返信)
お便りありがとうございます。
また、大変貴重なご意見をありがとうございます。
引き続きご教授のほどよろしくお願いします。
*               *               *
こちらの質問に何も答える事なく極めて簡潔な返信、これはもうこの件に関しては打ち切りという意味を込めたメッセージです。これは議員さん達がよく使うものなのですが、残念ながら私はこの手の返信には慣れているのです。
そこで私はまた、今度は新たな文面のメールを送る事にしました。
(続く)