杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

日本語が通じない(前編)

これは、読解力を有しない者を相手にしてしまったがため精神に少なからぬ影響を及ぼされてしまったある男の、3週間に亘る苦悩の記録である。
(なお今回は、彼の心情が把握できるよう、すべて「怒りのネイティブ」でお送りする事とする。)


おー、ちょっとみんな聞いてけろ。まったぐやんだぐなってしまったべや。 初めは軽く聞いてみただけだったのにや、まさかこんな事になるとは思ってもみなかったべや。

そもそも事の始まりは「河北新報」っつ地元の新聞にこんな記事が載ったのを見だがらなのっしゃ。

*               *               *
蛍舞う天沼できた 水質浄化重ね3年 仙台
 仙台市太白区三神峯の天沼(あまぬま)公園に6月、蛍が始めて舞った。地域住人と障害者福祉施設が一体となって取り組んできた水質浄化活動が、3年の歳月を経て実を結んだ。住人らは「悪臭が漂っていた沼に、蛍が舞う日が来るとは」と喜んでいる。
 水質浄化を行っているのは、知的障害者通所施設「わらしべ舎西多賀工房」と西多賀商店街振興組合、西多賀連合町内会の3者でつくる天沼公園愛護協力会。
 わらしべ舎が旗振り役となり、2006年から汚泥にまみれた天沼の浄化を進め、今夏、150匹の蛍を放った。
 浄化に使ったのは、有用微生物群(EM)の培養液。コメのとぎ汁と砂糖の混合液に、市販のEMを混ぜた自家製だ。地域の住人らが協力して月1トンほど、根気よく注入を続けた。
 水質が良くなるだけでは、蛍はすみ着かない。会は07年に、蛍の餌となる巻き貝の一種カワニナを500匹放流。1年後の昨年、カワニナの生息を確認し、今夏、満を持して蛍を放流した。
 わらしべ舎の鈴木暁さん(39)は「天沼が臭いと嘆く声や、蛍がまっていた昔を懐かしむ声が多かった」と、活動に至った理由を話す。
 かつて沼は農業用のため池だった。近隣の宅地化が進む中で、生活排水が入り込むようになった。親水公園として整備された95年以降も、浄化は進まなかった。
 今後、蛍が生息を続けるかどうかは予断を許さない状況だという。現在も、雨の日は少量の生活排水が上流から流れ込む。カワニナを食べるアメリカザリガニも多く生息する。
 鈴木さんは「今はやっと活動が芽吹いた状況で来夏が本当の勝負。今後も浄化活動を続けていきたい」と話している。
*               *               *
んで、これ読んでずっと気になってたんで、こういう質問を読者相談室におぐったのっしゃ。
(7月28日 送信)
こんにちは。環境浄化運動に興味を持っております。
7月17日付けの記事で「天沼」の浄化運動についての記事がありましたが、これによりますと2006年から浄化運動が始まった様ですが、その間行政の側は何の手もうっていなかったのでしょうか?
住民たちからはずっと悪臭の苦情などがあったようですが、その間行政が何もしていなかったとすれば、はっきり言って行政の怠慢であるともこの記事からは受け取れるのですが、その辺の所を取材したのかどうかお聞き致します。
また、浄化されたのは住民たちによるEMの投与によるものとも見えますが、他に考えられる要因は何もなかったのか、それも取材したのか伺います。
宜しくお願い致します。

そしたっけ早速次の日こういう返事があったんだっちゃ。
(7月29日 受信)
河北新報のご愛読、ありがとうございます。
ご質問にお答えいたします。
記事以上の詳細にご興味をお持ちと推測いたします。
それらに関しては、記事に登場するこの浄化活動をした団体にお問い合わせ下さい。
三者を介するより、当事者に直接質問された方が誤解のない正確な情報が得られるからです。

取材記者は、あらゆる視点から取材しますが、取材で得た情報をすべて記事にする訳ではありません。
この今、ニュース価値がある事柄、この記事の場合は見出しにあるように
福祉施設と住民が協力した②3年もかけて沼をきれいにした③蛍を放流した
この3点に焦点を合わせ記事にいたしました。
河北新報を末永くご愛読ください。
河北新報社読者相談室

はぁ~? 【それらに関しては、記事に登場するこの浄化活動をした団体にお問い合わせ下さい。】?
こっちは『その辺の所を取材したのかどうか』『他に考えられる要因は何もなかったのか、それも取材したのか』と、記者の取材活動に対しての質問をしたつもりだったべや。
んだがらこの回答にこう返信してやったんだっちゃ。

(7月30日 送信)
早々のご返答まことに恐れ入ります。
ただ申し訳ないのですが、私の質問には何もお答えになっていないようです。
私の弊社への質問の要旨は、
・行政にも取材したのか?
・浄化された原因は他にもなかったのかどうか確認したのか?
という事です。

このような環境浄化問題は住民達だけの努力では中々難しく、ともすれば無駄に時間と労力(勿論お金も)をかけてしまうばかりという事例を多く見かけます。
問題の解決には何よりも、行政との相互協力というのが一番重要な視点であると思います。
その意味でも今回、行政が何も手を打っていなかったのであればそれは問題であると思っている次第です。
マスコミとしても、環境問題を語る上ではこの視点で捕えなければ、住民達の活動も「単なる美談」で終わってしまうだけであり、問題の本質をまるで見ていないという事になります。

それでは回答の方、宜しくお願い致します。

河北新報読者相談室様へ

そしてずぅ~っと待ってたんだけども、


来ね。


はっぱ来ね。


ひょっとしたらもらった回答に直接返信しても受け付けてねぇがもしんねと思って、今度はまた投稿フォームから質問おぐったのっしゃ。

(8月5日 送信)
こんにちは。
先月30日に、天沼の浄化に関する記事について、御社に質問をしたものですが、8月5日現在まだ回答をいただいておりません。

前回、返信にて疑問をお尋ねしたのですが、そのメールが届いていなかったのかもしれないと思い、改めてこちらから再質問させていただきます。

7月17日付けの記事で天沼の環境浄化の記事が載っておりましたが、それに際し担当の記者の方は、
・行政にも取材したのでしょうか?
・浄化された原因は他にもなかったのかどうか確認されたのでしょうか?

の以上二点、質問させていただきます。
宜しくお願いいたします。

そしたっけ今度は即返信来たべや。やっぱ直接返信はだめだったみてだ。
んだけどその内容見て、おれぁ目が点になってしまったべや。

(8月6日 受信)
ご質問にお答えいたします。
7月29日10時47分に下記内容で返信いたしております。

ご確認を願います。
河北新報社読者相談室

○お問い合わせ 情報提供
こんにちは。環境浄化運動に興味を持っております。
7月17日付けの記事で「天沼」の浄化運動についての記事がありましたが、これによりますと2006年から浄化運動が始まった様ですが、その間行政の側は何の手もうっていなかったのでしょうか?
住民たちからはずっと悪臭の苦情などがあったようですが、その間行政が何もしていなかったとすれば、はっきり言って行政の怠慢であるともこの記事からは受け取れるのですが、その辺の所を取材したのかどうかお聞き致します。
また、浄化されたのは住民たちによるEMの投与によるものとも見えますが、他に考えられる要因は何もなかったのか、それも取材したのか伺います。
宜しくお願い致します。

河北新報のご愛読、ありがとうございます。ご質問にお答えいたします。
記事以上の詳細にご興味をお持ちと推測いたします。
それらに関しては、記事に登場するこの浄化活動をした団体にお問い合わせ下さい。
三者を介するより、当事者に直接質問された方が誤解のない正確な情報が得られるからです。

取材記者は、あらゆる視点から取材しますが、取材で得た情報をすべて記事にする訳ではありません。
この今、ニュース価値がある事柄、この記事の場合は見出しにあるように
福祉施設と住民が協力した②3年もかけて沼をきれいにした③蛍を放流した
この3点に焦点を合わせ記事にいたしました。
河北新報を末永くご愛読ください。
河北新報社読者相談室

…なにやこいづ。前と同じでねが。
こいづ、おれが送ったやつの初めの方の「まだ回答をいただいておりません。」ってとごしか読んでねえな。
肝心の二点の質問はどうなったのや?
んだがら、またまたこうおぐってやったのっしゃ(勿論投稿フォームから)。

(8月6日 送信)
こんにちは、OSATO(本名)です。
相談室から前回通りの回答が返信されたのですが、私が言っている事は、「それでは質問の答になっていない」という事で前回こちらから返信させていただいた訳です。

私の質問
>・行政にも取材したのでしょうか?
>・浄化された原因は他にもなかったのかどうか確認されたのでしょうか?

に対して帰ってきた回答が、

>取材記者は、あらゆる視点から取材しますが、取材で得た情報をすべて記事にする訳ではありません。

だったのですが、果たして行政に取材したのかどうか、この回答からは分かりません。
またこれに続く文でも、

>この今、ニュース価値がある事柄、この記事の場合は見出しにあるように
>①福祉施設と住民が協力した②3年もかけて沼をきれいにした③蛍を放流した
>この3点に焦点を合わせ記事にいたしました。

とありますが、どの事を記事にしたかは私の質問には関係ありません。
私が聞きたかったのは、「取材したのか、しなかったのか、どちらなのか」という事です。

前段の回答では【あらゆる視点から取材します】とありますが、【取材しました】とは書かれておらず、これは単なる一般論でしかありません。
もしこの文が「取材した」という回答であるとするならば、

『行政に対しても取材を行った。』
『浄化された他の原因についても確認作業を行った。』

と受け取ってもよろしいのでしょうか?
この点だけ確認したいと思います。よろしくお願いいたします。

河北新報社読者相談室様へ

そんでしばらく待ってたっけ、8月11日になってから何と、この相談室からうぢの方へ直接電話が来たんだっちゃ。
んでそれを受けた息子の話によっと、
「返信は送っているので、メールの設定を確認して下さい」だと。

「はぁ~?設定? 何寝言かだってんのや? 人散々待たせておいて挙句の果てにこんな返事か? こいづオレの質問読んでんのか?」

ちょっと頭にきちまって、その晩今度はこんな風に書いておぐったのっしゃ。

(8月11日 送信)
こんにちは、OSATOです。
本日自宅の方へ連絡いただいた事息子より聞きました。
それによりますと、回答が届いていないのかもという事でPCの設定を確認する旨でしたが、そちらからの回答はすべて届いております。

正直申しまして、ただただ驚きあきれている所です。

私はそちらからの回答では充分に分からなかったので、改めて違う形で再質問した訳ですが、それに対しても前回の回答を繰り返してきましたので、また改めて違う形で質問させていただいたのです。それが8月6日の質問です。

ところが、それに答えることなくPCの故障を疑うとは、一体全体私の質問をちゃんと読んでもらえているのか、はなはだ疑問を感じる所であります。
もう一度私の質問項目をよく読んで対応してもらう事をお願い致します。

ここでさらに追加の質問をさせていただきます。

・【記事を書かれた記者の方】が取材した【行政機関】は、区役所、市役所、県庁のどれで、そこの担当窓口はどこだったのでしょうか?
教えていただけたら、私の方から別途そちらに質問させていただきたいと思っております。

もう一つ、これはそちらのPCの設定に関する事ですが、そちらからの回答に対して私の方からは返信メールを送っているのですが、

・私からの返信メールはそちらに届いていますでしょうか?

以上二点の質問を新たに追加させていただきます。
8月6日の質問と併せ、よろしくお願い致します。

「さぁ~、今度はもうわがっぺ。ここまでちゃんと書いてやったんだからいい加減気づくべ。」
そう思ってまた待ってたんだっちゃ。そしたっけ…



来ね。




はっぱ来ね。




一週間以上も「なしのつぶで」だ。

そんでいい加減待ちくたびってしまって、またこんな質問おぐったのっしゃ。

(8月19日 送信)
こんにちは、OSATOです。
8月11日に問い合わせしたのですが、あれから一週間以上経っても未だ何の回答もございません。
正直、このような質問になぜこれほどの時間がかかるのか分かりません。
私の質問は、7月17日の天沼の記事を書かれた記者の方の取材方法に関するものでした。
ですから私の質問は、その方にお聞きすれば一日もかからずに回答していただけるものと思っておりました。
しかしいただいた回答は、私の質問の意味をまるで理解せずに答えられたものでした。
そのため色々質問を変えてまたお聞きしている訳ですが、今回また一週間以上の「待ち」状態になっております。

結局、7月28日に最初の質問を送ってからもう3週間も経ってしまいました。
果たしてこれが、「迅速・正確」をモットーとする新聞社の対応なのかと、大いに疑問に思っている次第です。
それともそちらからの回答が何らかの障害でこちらに届いていないのかそれも分からないので、念のため今までのやりとりをタイムテーブルにしてみました。
(7月28日)フォームにて質問
(7月29日)回答
(7月30日)再質問(返信メール)←回答来ず
(8月5日)フォームにて再質問
(8月6日)前回と同じ回答
(8月6日)再々質問(返信メール)
(8月11日)自宅に電話、再再々質問
となっています。

これまでに質問した内容をここにまとめます。
(8月5日再質問)
7月17日付けの記事で天沼の環境浄化の記事が載っておりましたが、それに際し【担当の記者の方】は、
・行政にも取材したのでしょうか?
・浄化された原因は他にもなかったのかどうか確認されたのでしょうか?
(8月11日 追加質問)
・【記事を書かれた記者の方】が取材した【行政機関】は、区役所、市役所、県庁のどれで、そこの担当窓口はどこだったのでしょうか?
・私からの返信メールはそちらに届いていますでしょうか?

以上4点の質問に対し、今日現在まだ回答がございません。
よろしくお願い致します。

そしたっけ次の日になったっけまた家の方へ担当から電話があったのっしゃ。
またそれを受けた息子の話だと、
「何度も返信を送っているのですが、こちらからの回答が届いていないものと思われます。メール設定の問題かと思われますので、ぜひ一度電話にてご連絡下さい」
だど!
「何度も返信? たった2回だべや! メール設定? 正常だ! 他からのメールはちゃんと来てっぞ!
こいづ、ほんっとうにオレの質問まったぐ読んでねえな!」
とうとう本当にあだまきちまって、次の日こいつんとごへ会社から電話してやったべや!

(怒涛の後編につづぐ!)