杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

日本語が通じない(後編)

(前編のあらすじ)
新聞社に対して質問を送った彼はまともな回答を得る事なく、いたずらに何度も質問を繰り返すはめに陥ってしまった。
しかしそれでもまるで理解されないと判断した彼は、とうとう直接行動に出る事となる。
(今回もまた、彼の心情を把握できるよう、「怒りのネイティブ」にてお送りする。なお実際の会話はすべて標準語で行われた事を予めお断りしておく)

オレ「もしもし、天沼の件で質問してるもんだけど」
担当「ああ、何度も質問していただいたお方ですね。いやどうも私どもからの回答が届いていなかったようですので。」
オレ「(何か声の感じからすっとどっかのオヤジみでだなや)あんねぇ~、あんだおれの質問ちゃんと読んでんのすか? 回答はしてもらったけど、それじゃおれの質問の答えになってないっつう事で何度も質問出してんだけども。」
担「ですから最初にお電話差し上げた際、こちらにご連絡頂ければと申し上げたのですが。」
オレ「はぁ?そっだら事聞いてねぇ。メールの設定がどうとかとしか聞かなかったぞ。」
担「ああ、言伝だったのでそうなっってしまったのですね。こちらの意思が正しく伝わらなかったようで。」
オレ「だけどその後ちゃんとタイムテーブルまで書いて質問項目もちゃんと書いてんだぞ。それについてはどうなの?」
担「え~と、天沼の記事に関してのご質問ですよね? ですからそれに関してはその団体に聞いてもらった方が間違いないかと。」
オレ「おれはあんだらの取材方法について質問してんだよ。わがっか? あの記事じゃ環境団体の事しか書かれてなかったけど、水質が良ぐなったのは他の要因はなかったのかその辺の所も取材したのかっつう事聞いてんだ。おめおれの質問ちゃんと読んでんのか?」
担「え~と、前の質問メールを見てみますね。…。7月29日に回答しているのですが、それは届いているんですよね。」
オレ「んだ。そいでそいつじゃおれの回答になってねっつ事で直接返信したんだけど、そいつは届いてんのすか?」
担「それは届いておりませんね。登録フォームからでしか受け付けないシステムになっておりますので、回答から直接返信しても当社には届かないようになっております。」
オレ「(そだら事どごにも書いてねえべや!)だからおれももしかしてと思って、そいで8月5日に登録フォームからまた再質問したんだっちゃ。そしたらまた同じ答えが返ってきた訳さ。」
担「前の回答が届いてないものと思いましたので、また再送信させていただいたのですが。」
オレ「だがらそれに対して、『そんではおれの質問の答になってね』っつ事でまた8月6日に再質問したっけ8月11日に電話があったんだっちゃ。『回答が届いてねがもしんね』って。おめおれの質問ちゃんと読んでんのか?」
担「え~っと、8月6日ですね…。ああ、なるほど。じゃあこちらからの回答は届いていた訳ですね。」
オレ「ちゃ~んと書いてっぺや! そいで新しい質問も!」
担「え~っと、この『行政にも取材したのか』って事でしょうか? これが記事と何の関係が?」
オレ「もいっぺん一番最初の質問見でみれ。」
担「え~っと…。」
オレ「ほんでさっぱ返事来ねからまた8月19日にも送ったべや。ちゃ~んとタイムテーブルまで付けて。そいづも見たのか?」
担「……。ああなるほど、そういう事でしたか。いやこういう事でしたらやはり直接お伺いした方が良かったですね。」
オレ「(こいづ、言わってようやく気づいたか。今までどご見てたのやまったぐ!)じゃあ改めて聞くけど、この記者どこの行政機関に取材したっつの?それともしねがったの?」
担「いや残念ながらそれはお教え出来ないのですよ。取材源の秘匿という事で。」
オレ「(思ったとおりだぁ! こっちだってそこまで詳しく教えられるなんてはながら思ってねわ!)じゃあせめて取材したかどうかという事すらも教えらんねっつ事ね?」
担「そういう事になります。申し訳ありませんが。」
オレ「んだら最初っからそう回答すればいいでねが! そだらこっちだって自分で調べっぺや! 一体これまでどんだけ時間かかったと思ってんのや?」
担「どうも双方の行き違いがありましたようで申し訳なかったです。」
オレ「(行ぎ違いぃ~? おめの読解力がなかっただけだべや!)もーいいわ! おれが自分でやっがら!」
担「失礼ですがお客様はこの記事に大変関心を持たれていらっしゃるようですが、一体何をお知りになりたいのです?」
オレ「この記事だけ見っと、水質が浄化したのはこの団体のおかげっつ事しか書かれてねぇけど、他に何か要因はなかったのかどうかって事だ。」
担「この記事ではそれだけしか書かれていないので、それだけだったのではないでしょうか?」
オレ「だから行政の事など何も書かれてなかったから、果たしてそっちも取材したのかどうか確認してんだべや。
 これでもし行政なんかも他に色々やってたっつ事になると、水質が改善したのはあの団体のおかげだけでねぇって事になっぺや。そしたらこの記事どうなる?」
担「ああそうですね。そうなるとこの記事は誤報という事になりますね。なるほど~。」
オレ「んだべ? それとも河北新報っつとごは行政には無関心ってことすか?」
担「いや我々は行政には常に厳しい目を持っております。」
オレ「んだらこの活動は3年もやってるっつうのに、その間行政はまるで何もしてねって事になっと、それこそ問題でねがと思わながったのすか?」
担「そうですね。そういう風に言われますと確かにそう捕えなかったというのはやはり記者のセンスですかね。」
オレ「んだすぺ? 大体環境活動ってのは市民レベルだけでやってっとしょもね活動やってる連中もいる訳よ。だからそれには行政との連携とか協力っつやつが一番大事な事だとおれは思ってんのっしゃ。だから取材する方もそういう視点から取材しなきゃなんねべと思う訳さ。
 ほいだらなーにこの記事、だーれ単なる美談としてしか捕えてねーべや。この記事からは問題意識なんて全然感じらんね!」
担「なるほどですねぇ。そう考えますとこれは追加取材という事も考えるべきかもしれませんね。」
オレ「ほだらおれ仕事中だがらもう切っぞ。んじゃな。」
担「どうもありがとうございました。」

まぁ~ったぐ! こんな事で30分以上も取られてしまったべや!しょもねごど!
どうせ追加取材っつったってほなもんやる気なんかねぇんだべ!
大体おれの質問まるで読んでねがったからこんな事になったんだべや!
飯屋で注文して間違ったもん持ってこらって、も一回ちゃんと注文し直したっけ無視され続けたっつったらおめならどう思うっつんだ!




なぁ~にはっぱわがんねであっぺとっぺなこどばっかかだってこのたれか!