杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

生ゴミ処理器を作る(追記あり)

今日は朝から晴天に恵まれました。そこで本日は、かねてから準備していた「平石式生ゴミ処理器」を作ってみました。

生ゴミ処理器」といっても、市販のプランターに土をいれるだけという物凄く簡単なものです。
生ゴミ処理器ではコンポストやら電動処理機などがホームセンターなどで売られていますが、色々ネットで調べた結果、別にそんなものを使わなくても簡単にできるというので、「平石式」を試してみる事にしました。

用意したのは次の通り。
プランター12号(14ℓ)、598円。
生ゴミ用ポリエチレンメッシュ、50枚入り75円。
・園芸土14kg、198円。
・虫除け用ステンレスふるい(直径37㎝)、198円。
赤玉土、砂利は以前使って余っていたものを使用)

作り方は本当に簡単です。
まずポリエチレンメッシュを底に敷き、砂利を敷き詰めます(約2kg)。

  

そこに赤玉土を砂利が見えなくなるまで敷き詰めていきます(約1kg)。最後に園芸土5~6kgを入れて完成、とっても簡単です。

  

ゴミ投入については、まず土の表層をスコップ4~5杯ほどとっておき、スコップで中央に穴を掘って、なるべく細かく切った残飯を入れたらよく混ぜ合わせ、そこにさっきとっておいた土を被せるというやり方です。
最後に虫除け用として、ステンレスふるいを上に乗せておきます。

  

と、ここまでマニュアル通りにやってみた訳ですが、果たして言われているほどの効果があるのかどうか、これもリポートしていこうかと思います。

ここで重要な点があります。この方式では「市販の微生物資材」など使う必要がないという事です。
実はゴミを分解する微生物は、園芸土の中に初めから存在しているのです(1gあたり10億個程度)。
よくEMによる生ゴミ処理などでは、専用容器に生ゴミを入れ、そこに「EMぼかし」を振り掛けるという方法がとられます。
しかしそれでは、実はゴミの減量になっているのではなくただの「漬物」を作っているだけであり、それらは結局土に返してから初めてゴミの減量となるもので、畑などがない一般家庭でのゴミの減量を目指すには不適当なものだと思います。

しかし、EM使用の環境教育を行っている学校などでは、この方法が何の疑問も持つ事なく推奨されています。特に、TOSSという教育グループはその傾向が顕著で、ただEMさえ使えば皆うまくいくというような形で授業が行われている事は問題であるとも言えるでしょう(→参考)。
紹介した参考例においても生ゴミ問題を取り扱っていますが、肝心なゴミの減量という視点ではなく、「リサイクル=EM処理」という極めて狭い視点からでしか授業が行われていません。おまけに、自然界における微生物の役割の説明は皆無という有様です。
こんな授業は、ただ生徒達に「EMの使い方」を教えているばかりであり、それこそ生徒達は生ゴミ問題はすべてEMで、という一方向の見方しか出来なくなります。

今回の方法は、豊橋技術科学大学の平石明先生が研究されているものの実践編です(「研究内容」をクリックしてみて下さい)。
先日の「MAIENZA(えひめAI)」もそうですが、微生物の役割というものを正しく理解すれば、実はEMなど使わなくてもそれと同等、或いはそれ以上の方法がたくさんあるという事を、EM信奉者は早く気づいてもらいたいものだと思うのです。

(参考)
平石研究室 「生ゴミ処理コーナー」(「研究内容」→「4.生ゴミ処理の微生物生態学とリサイクル」欄の赤文字部分【(◆ ベランダでできる生ゴミ処理および生ゴミ処理データ参照(GO TO 生ゴミ処理コーナー)】をクリック)

(2010年11月1日追記)
豊橋技術科学大学生物機能工学研究室からコメントが寄せられました。平石研究室のURLが下記に変更となりました。連絡どうもありがとうございます。
豊橋技術科学大学 環境・生命工学系(旧エコロジー工学系)生命工学分野 生物機能工学研究室〕
http://ens.tut.ac.jp/microbes/

生ゴミ処理コーナーはこちらです。↓
http://ens.tut.ac.jp/microbes/compost/index.html