杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

EMへの疑問(2) ~その「思想」は大丈夫?~

本来ここでは別な記事を上げる予定だったのですが、前回の記事に絡んで新たな発見があったので急遽変更です。

前回一回目として「EMのメカニズム」について書いたのですが、実はそこで敢えて取り上げなかった事がありました。
それはあの生態系ピラミッドの図で、実際本家サイトをご覧になった方はお分かりかと思いますが、実は〔正常な生態系〕の図と〔生態系回復を促進するには…〕の図の間にはこんな図がありました。↓



当初この図と※欄の説明を見た限りでは右下の三角の部分がヘドロを表しているように見え、この図が意味不明に思えたので敢えて触れなかったのでした。
その後他を調べている内に別な解説と巡りあい、この図の謎がようやく解けました。

それは「EM研究【機構】」ではなく、「EM研究【会】」(紛らわしい!)のサイトにありました。それが下の図です(クリックで拡大)。



つまり、右側の小さな三角形の部分が現状であり、そこにEMを投入する事で三角形全体が大きくなって正常なピラミッドになるという事だったのですね。この図の謎がようやく解けました。

ところが改めてここの説明を読んでみて、いかに私の考えが甘かったかを痛感させられてしまいました。
「EM研究機構」の方の説明を読みますと、「EMを核にして良い微生物を呼び集め活性化させる力を持っています。」とありましたので、表現の違いで、EMが在来菌のエサとして働き、結果周りの微生物が活性化するという解釈も成り立つとも思っていました。
ところがここでは、

>ではこれを回復するにはどうすればいいかといいますと、微生物が減っているわけですから、単純な話微生物を足してやればいいわけです。そこでこのようにEMも微生物ですから、微生物層が大きくなって、もとの大きさのピラミッドになるわけです。

なんて説明が飛び出してきて、思わず目まいを感じてしまいました

これが載せられているのは「EM研究会」サイト中〔EMAssociation〕の13番目の項目です。で、この解説自体「EMフェスタ2001」からの引用という事なので、早速そちらを覗いてみました。そうしたら…。

いやいや、真面目に読んでいると突如こんなのとかこんなのが出てまいりまして、私、目が点になってしまいました
そこにはこういう説明がなされておりました。

> 私は、今回検証方法にものすごい力を入れさせていただきました。臭いが消える、聞き取り調査をする、透視度がどう、そういうことを主にしまして波動の江本さんのところの研究所と共同で、「華山さんがやっていることは非常に立派なもんだから、私たちもお手伝いさせて下さい」ということで、誰が見ても汚れている水が浄化されている状態の変化を水質以外にと思ってこういうことをやりました。見ていただいてわかるように、これは原水の結晶です。
 これは1ヵ月後には結晶がこうして出来つつあります。
そして3か月後にはこんなにきれいな結晶。比嘉先生にお見せしたところ、EMで水のクラスタが小さくなって小花のように水がどんどん結晶化されていく状態ですね、ということで、誰が見てもわかるようにということで、検証方法を非常に多くさせていただきました。


……。

それでも気を取り直して更に読み進めていきますと、

>一番大切なことはEMの微生物濃度をいかに上げてあげるか、ということが、これは河川浄化に限らず、農業、土の分野でも全く同じことが言えます。比嘉先生が効くまで使え、という意味はここにあります。効果がなかなかでないのは微生物濃度が低いからです。EMを本当に使いこなすなら、ある一定の微生物濃度まで上がるまで投入し続けないといけないわけです。

とか、

> それから河川や海域でのEMによる浄化というのは、EMそのものが直接汚染を浄化するのではなく、EMが引き金となって浄化を促進する。よって、自然生態系を復活させるためには、微生物層を増加させ生態系のピラミッドを元に戻すだけでいい、と単純な法則になります。これが比嘉教授がおっしゃるところの、「効くまで使いなさい」ということではないかと思います。

などの説明が。

確かに浄化作用というのは微生物の力に負う所が大きい訳で、その意味では微生物相を豊かにするというのは確かに間違いではないと言えます。
しかし、自然というのはそう単純なものではありません。微生物の生業は周りの環境に左右されるものです。それをこう単純なものと考えて果たして良いのでしょうか?
この「EMフェスタ」を始め、各地で催される「EMサミット」などを覗いてみても、微生物の役割に思いを寄せるという事はなく、ただEMという【商品】の素晴らしさを称えるものばかりという有様です。
そしてこれらの人達は、EMさえ使えばすべてうまくいくという比嘉さんの「思想」に取り込まれ、成功したのはすべてEMのおかげと思い込むようになり、やがてはだんだん周りが見えなくなっていくのではという不安さえ、つい私は覚えてしまうのです。



それにしても…、


やんだぐなったわ!

「EMフェスタ2001 自然水系浄化分科会」→こいづ!