杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

おもむろに禁煙なんぞやってみる

実はただ今、五月の連休明けからずっと禁煙しております。
いやまあ、別に健康のためとか言うものじゃなく、ちょっと先月こんなものとかこんなのなんか調子にのって買いすぎちゃいまして。
その結果、
 「背に腹は代えられない!」
という事に相成りました次第…(なさけね~(^^;))。
まあ元々喫煙量は一日十本程度と大した事はなかったんですが、それでも2日で一箱、一ヶ月では15箱=4500円程になり、積もり積もると結構な散財となっていた訳ですね。
おまけに10月からは値上げにもなる事だし、ここはいっちょ思い切って! なんて言うよな一大決心という訳でもなく、ただ何となく
「ちょっと止めてみようかな~」
程度のノリで始めてみただけだったのです。
だいたい、自分にプレッシャーかけちゃうのってあまり好きじゃありませんし、そもそも「~しなきゃいけない」なんて脅迫観念なんか、それこそ余計なストレスになっちゃうってなもんです。
だから、
「吸いたくなったら別に吸っても構わんのよ。」
と自分自身に言い聞かせつつ、取り合えず始めてみた次第。

という訳で、今回はこの一ヶ月間の報告などを。

まず初め辛かったのは、タバコを止めたその日から3日間と一週間目ですかね。
とにかく胸の辺りがうずうずしてきて、「タバコくれ~、タバコくれ~」と体が念仏唱えてるような感じになってきます。所謂禁断症状というやつです。
この禁断症状というもの、単に「吸いたい吸いたい」と思うだけじゃなく、同時に何とも言えない不安感というものを抱かせます。
というのも、ニコチンを欲する胸のうずきというものが、丁度胸騒ぎの時のようなサワ~っとした感覚に似ているのですね。だから何でもないのについ不安な気持ちになってしまうのです。
また、当初の禁断症状が収まった頃、今回は一週間目頃に襲ってきたのが、何とも言えない「喪失感」というやつです。

僕がタバコを吸うのは主に食後、いわゆる食後の一服というやつです。
そしてこれは、タバコを吸い始めてからウン十年毎日続けてきた習慣であり、すっかり脳内にインプットされていたこれがパタっと途切れてしまう訳です。
食事をして満腹となったお腹に一服の清涼剤、
「今日も健康、タバコが美味い!」
こんなささやかな幸福感に包まれる至福のひと時、この気分がもう味わえなくなってしまいました。
正直この時の寂しさと言うか、この喪失感が一番こたえました。
丁度、大切な友人を亡くした時に味わったあの気持ち、ペット好きな人なら多分、大切なペットと生き別れた時の気持ちとでも言うのでしょうか、それと同様の思いを味わう事になるのです。

これが所謂、「禁煙鬱(うつ)」というやつですね。

こちらによりますと、ニコチンによって誘発されていた脳内の神経伝達物質セロトニンなど)が、禁煙により不足するようになって鬱症状を誘発してしまうという事らしく、調べてみると禁煙者の間では結構多くの人が経験しているみたいです。
場合によっては本当のうつ病発症してしまう人もいるようで、そうなったら今度はお医者さんと相談しなければならないのですが、幸い僕は今までの喫煙量が大した事なかったせいか、今の所それほどひどいものとはなっていません。

あと、よく言われるのが、タバコを止めると料理が美味しくなるというもの。これ、僕に限っては当てはまりませんね。料理の味は別に変わりません。
ただやたら腹が減る!
今までは食後の一服で胃の働きが抑えられ、それでゆっくり消化されてきたおかげで深夜になっても平気だったのですが、タバコを止めて胃の調子が良くなったせいか、深夜になる頃にはやたら腹が減るようになってしまいました。
おかげでつい何か軽いものを食する事に。となると、今度は新たにメタボの危険性にも要注意となりますね、何てこったい…。

まあこんな感じで一ヶ月経ちましたが、当初は別に無理せずタバコは吸いたければ吸ってもいいと思いつつ始めたんですが、思いの外禁煙が長続きしています。
「禁煙鬱」の症状も大した事無く治まりましたが、思うに禁煙を長続きさせるコツって、こういう自分の経験を「面白がる」って事じゃないのかと思います。
始めに禁断症状が現れた時も、別にそこで無理せずタバコを吸っても良かったんですが、どうせならこのまま行けばどうなるかをレポートする気でしばらく自分を観察してみようと思った訳です。
そして胸元がさわさわしたり、喪失感に襲れた時も、
「なるほどなるほどこうなるのか、面白~い。」
などと思って、果たして次はどうなるのか、ワクワクしながら自分を見ているという感じですね。

それともう一つが、「つもり貯金」!
タバコを買ったつもりで貯金箱に300円をチャリンと、というのもあくまで脳内でですが、やはり自分に対して「ご褒美」というものを用意しておくというのも大事ではないかと思う訳です。
今までは趣味のものを買う時など、やや躊躇するという事がままありました。
しかしこれからは、元々タバコに使うつもりだった分が丸々こちらに使える訳ですからもう躊躇する事はありません。
それに何より、こういう好きなものを思いっきり買うという事でも脳内ではドーパミンやらセロトニンなどが放出される訳ですから、こういう思考をする事が「禁煙鬱」には一番有効なんじゃなかろうかと思ったりする訳です。


さあて、次に買うのはやっぱこれかな。楽しみ、楽しみ…(^.^)。