杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

もう2年、まだ2年

「あの日」がまたやってきました。
3月11日、14時46分、「あの時」は今でも昨日の事のように覚えています。

先日から今日にかけ、「その時」に合わせ各局で震災特番が組まれていました。
この震災報道というものですが、被災県にいると毎日の様に震災関連のニュースが流されますが、どうやら遠くの県(中央)では、もうあまりテレビ報道はされていないようです。
今回の特番で現地を訪れ、そのあまりの変わらなさに驚いているキャスターの姿を見るにつけ、他県ではこの震災が、すでに「過去」のものになりつつあるのだなという印象を受けてしまいます。
でもそれも当然でしょう。
復興は中々進まず、いつまでも変わらない被災地の風景がやがて日常化してしまい、同じ被災県に住みながら、ついその状態に慣れっこになってしまった自分がいる事に気が付きます。
この「慣れ」のせいで、自分でも外側へ向けての発信が疎かになっていやしないかと、つい我が身を省みてしまいます。

報道もしかり、特にローカルテレビ局の震災報道はみな県内向けばかりで、外部へ向けての発信があまりなされているとは思えません。
お隣の岩手県福島県も同様で、中の状況などはこちらでもあまり放送されず、隣県でありながらお互いの「被災地の今」を中々知る事が出来ません。
ましてや、同様に被害を蒙った茨城県など関東地方の情報などは、逆に東北にはほとんど入ってこないという状況です。
この内向けだけの情報発信が、やがて震災の「風化」を招く事になるのではという不安を感じてしまいます。

今はネットの時代となり、個別の情報は個人で手に入れる事は出来る様になりましたが、国民全体的な関心を寄せるには、やはりテレビでの報道が大きな威力を発揮するのが事実です。
しかし震災も2年目となると放送時間も激減し、それに伴い人々の関心も急激に薄れている様に思えます。

この「風化」を防ぐためにもせめてテレビ局は定期的に、少なくとも月に一度は特番を設け、ローカルから全国へ「被災地の今」を放送してもらいたいし、その題材となるためにも、現地では復興を加速してもらいたいと願うものです。

今回の震災特番で、石巻市日和山(ひよりやま)公園からのレポートが数多くありました。
ここには今年の1月に私も訪れましたが、放送されていたここからの眺めはこの時と全然変わっていませんでした。



この公園の手すりには、震災前の美しい町の姿を写したパネルが飾られています。



ここに来てこのパネル写真と実際の景色を見比べると、そのあまりのギャップに改めて復興を強く願う気持ちを抱きます。
 (クリックで拡大)

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震災を語り継ぐ事は確かに大切ですが、これからは併せて「復興の仕方」も語り継がれていくべきだと私は思います。


あれからもう2年、いやまだ2年しか経っていないのです。


改めて、亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。