杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

7年目の日に6年目を振り返る

2018年(平成30年)3月11日、震災から7年目のこの日、たまたま日曜日と重なった事もあり、朝から震災関連番組をずっと録画チェックしていましたが、今回は多くの局が震災の【風化】と【伝承】という問題を取り上げていました。

 
震災関連の話題も全国版で流される事は徐々に少なくなり、たまに大きく取り上げるのもこういう日ぐらいしかありませんが、地元では今も日々震災関連のニュースを目にしています。

震災から7年経ち、被災地ではこれまで猶予されていた融資などの返済がいよいよ開始となったり、或いは政府からの補助金が打ち切られたりと、インフラの復旧とはうらはらに、そこで暮らす住民達の生活はこれからが正念場という状態です。

かと言って自分自身が何か出来る訳でもなく、せめて震災を風化させぬよう自分が訪れた被災地の様子など紹介する位のものですが、最近はそれすら遠ざかっていました。

昨年も各所へ訪れてはいたのですが、積極的にブログの方では紹介してこなかったので、今回は昨年尋ねた被災地を改めて振り返ってみました。

まず昨年2017年の3月4日、前日に新しく開設されたばかりの南三陸町のさんさん商店街に行ってきました。
この日は6年目となる震災の日も近いという事もあり、会場には各所にテレビカメラが来ていました。



行列に並んで食した「マグロ丼」(@700円)、サービスで付いていたタラのアラ汁にハマり、それからしばらく我が家では、魚屋でアラを探してまわる日々となりました。



かさ上げされた土地の上に建つ商店街からは、あの南三陸町防災庁舎が眼下に見えていました。



その帰りに寄った女川駅前「シーパルピア女川」、この日の客足はすべてさんさん商店街に持っていかれた様です。



おかげで前から見たかったダンボールギーニがゆっくり見れました。評判通りの良い出来です。



2017年3月下旬頃の名取市閖上日和山、お隣の日曜朝市には何度も訪れているので、ここはもうお馴染みの場所となりました。



2016年12月、それまで不通だったJR常磐線宮城県浜吉田~福島県相馬間がようやく開通しました(→こちら)。
その模様はニュースでは見ていましたが、開通後の実際の常磐線はまだ見た事はなかったので、閖上朝市での朝食後、常磐線沿線を辿ってみました。
内陸側に移転された山下駅は高架になっていました。



駅で待っていると、遠くから高架線をゆっくりと近づいてくる車両が。
その姿は、遠目から見ると枝を這う芋虫の様にも見えます。



この先の新地駅にも寄ってみました。
駅舎は真新しく綺麗でしたが、この周辺にはまだ家が少なく、ひと気はあまりありませんでした。



駅裏はまだ工事中、ここはこれからどう変わるのか、いずれまた来ようと思います。



この日はドライブがてら、常磐線に沿ってお隣福島県の相馬まで足を伸ばしてみました。





公園内の施設「相馬市伝承鎮魂記念館」の前には震災慰霊碑が。



相馬市では津波で456名の命が失われています。
福島と聞くとつい原発事故ばかり思い浮かべますが、実際は津波で多くの命が失われており、この碑を見るとそういう事実に改めて気付かされます(当時のニュースはこちらから)。

2017年4月30日仙台市内から最も近い震災遺構「荒浜小学校」が開設されました。
GW中は混んでいた事もあり、ここを訪れたのは6月に入ってからでした。





中は2階まで浸水した教室などがそのままの状態で保存されています。



4階は展示資料室、当時の生々しい無線でのやりとりなどの映像が流れています。



津波に襲われた時間で止まった時計や、模型で復元した荒浜の町並みなど、数多くの資料が展示されていました。



ここの屋上からは、かつてここに町があったとは想像が出来ないほどの、荒涼たる風景が広がっているのを見る事が出来ます。
そしてすぐ近くの深沼海水浴場、入口には慰霊碑と「荒浜慈聖観音像」が立っています。



観音像は荒浜の町を見守っているようでした。



すぐ隣には鎮魂モニュメント「荒浜記憶の鐘」。



年が明けて3月、2018年になって初めに訪れたのはまた名取市閖上でした。
久しぶりに来てみると、市場周りの整備工事は完了していて市場内にはウッドデッキも用意され、しゃれた感じに変貌していました。



お目当てはもちろん「仙台セリ鍋」!(@350円)



ここから海沿いの道を南下していった所、仙台空港近くの災害危険区域に指定されている場所で、本来は建てられないはずの一軒の家を発見。



近づいてみると、津波に襲われた一般の方の家をそのまま震災遺構として展示していたものでした(震災遺構:鈴木英二さん宅)。



震災の記憶が徐々に薄れる中、この様な遺構の存在は伝承の意味でも大切な存在だと感じます。
今では当時の震災の様子がネットなどですぐ見られる様にはなっていますが、それで実際のスケール感というものを実感する事は不可能です。
頭だけで思い描いてる事と実際はまるで違う、被災地を訪れる度に強く感じます。
映像でしか見た事がない人達は、ぜひとも被災地を訪れて実際に自分の目で見てもらいたいと思います。

2年ぶりに訪れた空港そばの「千年希望の丘」には、岩沼市ゆるキャラ「岩沼係長」が迎えてくれていました。



公園内には交流センターの施設も完成していて、中では震災当日から今日までの復興の歩みが紹介されています。
また丘の手前にはこんな設備も。伝承方法の工夫が見られます。
やはり自分も、新しいスマホを買うべきか…。



ここから堤防裏の海岸端の道をひた走り。
以前は工事中で通れなかった道も、今は大分遠くまで走れるようになっていました。
しかしもうここから海は見えず、ただ巨大な堤防の壁が延々と続いているだけです。



そして亘理町荒浜の鳥の海へ。訪れるのは3年ぶりです。





あの津波にも耐えた温泉施設「わたり温泉鳥の海」、2015年2月に来た時の風景です。


今回2018年3月、周りの風景はほとんど変わっていませんでした(4月リニューアルオープンに向け、只今施設改装中)。


以前はまだなかった「荒浜にぎわい回廊商店街」(2015年3月15日オープン)に寄って遅い昼食。ここの「菊一商店」のランチタイムワンコイン定食(@500円)に感動しました。



自分はヒレカツ定食、相方が注文したアジフライ定食、どちらも2枚ずつでこれで500円ポッキリというのはコスパ高過ぎです!





勿論一枚ずつ半分こしましたがどちらも揚げたての熱々、特にアジフライは絶品で、さすが地元!という味でした。


震災から7年、被災地の復興はこれからが本番です。
一個人として出来る事は微々たるものですが、こうして個人が被災地の情報を地道に発信していく行動も、震災を風化させない一助になるのかもと感じた7年目の日でした。



「さんさん商店街」→公式サイト
「シーパルピア女川」→公式サイト
「震災遺構 仙台市立荒浜小学校」→仙台市HPより
「ゆりあげ港朝市」→公式サイト
「千年希望の丘」→公式サイト
「荒浜にぎわい回廊商店街」→ぶらっとわたりより