杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

ブルーインパルスの映画を見る(追記あり)

宮城県石巻市名取市で現在限定上映されているブルーインパルスドキュメンタリー映画「絆 再びの空へ」を見てきました。

東日本大震災により本拠地である松島基地を失い、たまたま遠征に来ていて難を逃れたブルーインパルス
これは被災地に戻って支援活動をする隊員達の姿とブルーインパルスの復活、そして2年後の松島基地への帰還までを追いかけたドキュメントですが、自分としてはどうしても、ブルーファンと言うより一被災者としての立場からこの作品を見る事になってしまいます。
震災時は他の自衛隊員と同様の被災地での支援活動、慣れない日本海側での制限された訓練時間、そして被災地と向き合う隊員達の姿などが初公開の映像と共に紹介され、松島基地へ帰還する時の姿は、まさに万感胸を打つ思いがします。

映画では、石巻川開き祭りで何とかブルーに飛んでもらおうと努力する実行委員の方の姿も紹介されます。
多くの苦労の中何とか実現の運びとなりましたが、当日はあいにくの雨となって飛行は中止となりました。
でもブルーがいる限り、またいつかという希望がそこにはありました。

自分の中ではそれまでのブルーインパルスは、ただ遠くにいる憧れだけの存在でした。
でもあの震災を経験し、被害にあった松島基地の姿を目の当たりにし、同じ被災者となってしまった隊員達が、不自由な中それでも復活をめざして努力する姿を見た時、ブルーは等身大の存在となりました。

映画の中で印象的なシーンがあります。
映画では、震災後始めて東北の上空を舞った時の映像が紹介されます(2012年東松島祭り)。
その時、地上での熱狂とパイロット達の間では明らかな温度差があったといいます。
遠く離れた地で訓練をする内に、隊員達にはあの震災は夢ではなかったかという思いが徐々に芽生えていたそうです。
しかし当日、上空を飛んだパイロットはこう呟くのです。
「何も変わっていないんだな…」
と。
この風景を見て、隊員達はブルーの使命を新ためて実感する事となります。

震災以後、ブルーの存在は憧れから「復活の象徴」となりました。
しかし今現在ブルーは、訓練中の事故という新たな試練に直面しています。
勿論その原因の究明と徹底的な安全対策はなされるべきですが、やがてまた大空を華麗に舞う姿が見られるであろう事を私は信じます。


劇場窓口で券を購入したら、こんなプレゼントをもらいました。
何も広報がなかったので大変驚きましたが、こんな嬉しいサプライズはありません。
  


映画「絆 再びの空へ」HPはこちら


(3月7日追記)
河北新報ブルーインパルス事故についてその後のニュースが載りました。
(以下引用 ↓)
「危険性確認不足」 ブルーインパルス接触事故 空自松島

 航空自衛隊松島基地宮城県東松島市)は6日、宮城県石巻市金華山沖で1月に起きた曲技飛行隊「ブルーインパルス」の 接触事故の原因について、新しいアクロバット飛行の訓練中だったため、危険性の確認不足だったと発表した。休止していた曲技飛行の訓練は12日から段階的 に再開する。
 事故は1月29日、4機で訓練中、2機が上空で接触し機体の一部が損壊した。松島基地によると、4機は編隊を組み、先頭機が横転して最後尾に回るアクロバット飛行の訓練をしていた。
 訓練は4回目で、4機での飛行は初めてだった。松島基地は「僚機が見えなくなった時や接近し過ぎた際、どう対応するかなどの検討が不十分だった」と説明。再発防止策として、安全に配慮した訓練計画の見直しや、飛行前の危険回避の検討強化を挙げている。
 有馬龍也司令は「事故を真摯(しんし)に受け止め、住民の安心・安全が保たれるよう事故防止に万全を期す」とコメントを出した。
 松島基地東松島市などに事故原因概要を示し、曲技飛行訓練再開の了承を得た。阿部秀保市長は「訓練再開は市民の安全が大前提で、事故防止策を確実に実施してほしい」と話した。
2014年03月07日金曜日

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201403/20140307_13011.html

あの事故の写真を見ても、一体どのような状況でああなったのかがよく分かりませんでしたが、新技の訓練だったのですね。
何にせよ、ブルー復活への第一歩がまた始まる様です。
くれぐれも安全だけには留意してくれる様、ファンとしてはただ祈るのみです。

(3月20日追記)
松島基地での訓練スケジュールが公開されました(→こちら)。
今年7月で航空自衛隊は創設60周年、これに向けての新技だったのでしょうか。
どうかくれぐれもお気をつけて。