杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

明治大学はオカルト大学に成り果てた?(追記あり)

そんなタイトルみたいな思考に駆られ、思わず熱中症状態になってしまった案件を見てしまいました。
それは「明治大学リバティアカデミー」の公開講座『ガイア、この水と微生物の共鳴する世界』というもので、中身を読み進むにつれ、思わず気が遠のいてしまうのを感じてしまいました。
    (←クリックで拡大)

講座主旨にはこの様な解説がなされております。
本講座では、独特な波動理論から、生きとし生けるものの本体をなす水の本質を追究して来られた江本勝先生と、EM(有用微生物群)の開発でエントロピーという科学の常識を破壊し、環境汚染や体内汚染に決定的な解決策を呈示してこられた比嘉照夫先生、このお二人の世界的に著名な研究・実践者をお迎えて、地球進化の正しいサイクルを取り戻すことで、崩壊の文明から蘇生の文明への道を探りたいと思います
この二人の話からどうやって【地球進化の正しいサイクル】を取り戻すのかちょっと理解不能ですが、それにしても、波動機器などを売ったり、普通の微生物資材などを扱っている一業者のセールストークをわざわざ大学が主催者となって講座として開設するなど、一体何を考えているのかと首をひねりたくなります。

以前から明治大学では超心理学講座などが行われていましたが、この時はあくまで超能力を科学的に解釈するという試みであったと理解していました。
ただ2008年頃の内容がこちらで紹介され、そこに「集合的意識」「手かざしヒーリング」なる単語を目にして一抹の不安はありましたが、そこはいやしくも大学、極端な方向へは行かないだろうと思っていました(講座内容はこちら)。

そして忘れた頃に現れた今回の講座です。
世間では今や「ニセ科学」の代名詞として有名になっている(と感じている)あの「水伝」と「EM」の二大巨頭揃い踏みの公開講座など、思わず船井幸雄氏がご存命だったあの頃に、時計の針を巻き戻された様な気がします。

勿論、信仰の自由憲法でも保障されておりますから、彼らの話を聞いて個人がどう思うかまで云々言うつもりはありません。
しかしいやしくも、大学の名でもってわざわざ問題視されている特定企業の宣伝活動に加担するというのは、流石に問題があるのではと思えてなりません。

講師紹介によりますと、金山秋男という人は法学部の教授で専攻は「死生学」という事ですが、今回の人選を見る限り、果たして彼が「科学リテラシー」というものをどこまでお持ちなのかと、ついそんな事を考えてしまいます。
世間一般で言うところの、所謂「先生」と呼ばれる職業の方にこそ、本来ならば人一倍「科学リテラシー」が必要ではないのかと、強く強く感じた一件でありました。



関連エントリー
 ・「水を読む」(1)~(9)
 ・EMへの疑問(3)~EMは「ニセ科学」か?~
 ・「ニセ科学」の授業をやろう!


(8月2日追記)
明治大学リバティアカデミーからこの講座に対してのお知らせが発表されました。↓

   

やはり無視できないほどの『さまざまなご意見』があった様です。

「明治大学が水伝とEM菌を招いて講座を開く」(togetterまとめ)
まあ、極めて当然の反応でしょう。

(さらに追記)
学内からも批判の意見があった様です。
福地健太郎さんのツイートより)
https://twitter.com/kentarofukuchi/status/495486358014537728
https://twitter.com/kentarofukuchi/status/495488223502540800
週明けの公式発表を待ちたいと思います。

(8月9日 追記)
8月8日、明治大学リバティアカデミーより『不開講』のお知らせがありました。

   

何はともあれ一段落という所でしょうか。
出来れば、その理由などの詳細も載せてもらえれば尚良かったとは思いますが。