杜の里から

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LUMIX DMC-TZ40は使えるか?(その2)

パナソニックのデジカメLUMIX DMC-TZ40を使い始めてから2ヶ月となりました。
あれから更に試し撮りを行っていますが、前回記事で指摘したオート撮影モード(iAモード)は相変わらず使い物になりません。
逆光などで明暗差が大きくなった場面では、カメラが自動的に複数枚のシャッターを切って諧調を調整するHDR機能が働きますが、出来上がった絵を見てもそれほど効果があるものとは思えません。
(iAモード:手持ち夜景、オートホワイトバランス、S速度1/160秒、F3.3、絞り補正+1/3、ISO100)


作例では連写機能の「手持ち夜景モード」が働き、そのためか逆に色が死んでしまい、見た目にも寒々とした印象を与えるものとなっています。
これがプログラムモードで画質をヴィヴィッドにし、更にホワイトバランスや露出を調整してやると、オートの時よりも温かみのある見た目通りの絵となりました。
(Pモード、ヴィヴィッド、ホワイトバランス:晴れ、S速度1/250秒、F3.3、絞り補正+1/3、ISO160)


コンデジカメラの使用歴としては、自分はこれまで初期の頃のソニーサイバーショットDSC-W1」、キャノンの「PowerShot SX130 IS」とカシオ「EX-ZR1000」などを使用していましたが、どれもカメラ任せのオートモードを使っていたのは初めの2~3ヶ月ほどで、後はもっぱらプログラムモード専門で使用していました。
結局、メーカー側で設定するオートモードでは自分の思う様な絵にならない事が分かり、自分好みに調整出来るプログラムモードが一番しっくりきたという訳です。
ですからこのDMC-TZ40も、いずれにせよプログラムモードを多様する運命にあったとも言える訳ですが、そうなるとこのカメラは結構使えるものになりそうです。
このカメラは、プログラムモードにするとホワイトバランスのカラーの微調整が出来る様になり、またフォーカスエリアもスポットから中央重点・23点エリアなど多数の種類がすぐに変更出来たりと、使い勝手が急に良くなるのです。


また、最近は撮影後の写真を加工出来るという機種も増えましたが、このTZ40もそんな中の一台です。
このカメラでは撮影後の写真をアート風に加工できる「クリエイティブレタッチ」という機能がありますが、これの使い様によっては中々に効果的な作品を作る事も出来るのです。
特にこの中でのお気に入りは「セピア」で、FUJIのX-S1のフィルムシミュレーションの中にも同様の画像効果はありますが、FUJIのそれはモノクロ画面にマゼンタのフィルターを被せただけの様な、全体的にただ赤っぽいだけの不自然なものでした。
(FUJI X-S1フィルムシミュレーションモード:セピア)


それがTZ-40では、いい具合に色褪せたモノクロ写真と言う雰囲気になります。
(クリエイティブコントロール:セピア)


これを踏まえて、試しに以下の様な写真をカメラ内の操作だけで作ってみました。
まずは元写真、近づいてくるSL(モデルは釜石線SL銀河号)を加工する事にしますが、写真のままではSLが遠過ぎます。



そこでまずはこれをカメラ内のトリミング機能で拡大します。


処理したのはこうなります。


これを「クリエイティブレタッチ」で「セピア」に。


色あせたモノクロ写真風になりました。


これを更に「インプレッシブアート」加工。


荒れた様な表現となります。


今度は「トイカメラ」。


いかにも昔のカメラで撮った様な古めかしい雰囲気となります。


元々の画像は3:2の映像で、これを昔ながらの4:3映像にトリミングしたい所ですが、残念ながらこのカメラでは画角の変更までは出来ないので、最後は「JTrim」とか「PaintNET」などのフリーソフトを用いてトリミング処理のみ行いましたが、それでもフォトショップなどの画像ソフトを用いなくともカメラだけでここまでの絵が作れると言うのは中々に楽しいものです。

そして最終的にこんな写真となって出来上がりです(クリックで拡大)。


この様なアート系のフィルタはこのTZ-40に限らず、最近のコンパクトデジカメには大抵装備されていますが、撮影後に加工出来るというのはLUMIXシリーズの大きなアドバンテージであると言えます。
しかし以前使用していたカシオのEXILIM「EX-ZR1000」では、撮影後に露出やホワイトバランスも変更出来、また「全焦点マクロ」など連写機能を生かした様々なモードが撮影の幅を広げてくれていました。
でもそんな魅力を持ってしても敵わぬ「旅カメラ」としての必須機能、「GPS」と「Wi-Fi」がこのTZ40にはありました。正直、この機能のためだけでこのカメラを選んだと言っても過言ではありません。
この「GPS」ですが、「Wi-Fi」と併せこれが中々に使えるものとなっており、目下鋭意試験中ですが、その報告はいずれまた。

カメラテストはまだまだ続きます。