杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

トリチウム水処理は韓国基準で

日韓関係の悪化が止まりません。

いわゆる徴用工問題から始まって経済問題、そしてそれが軍事の分野まで及ぶ様になり、韓国ではとうとう放射能問題まで前面に押し出してきてしまいました。

(日経web 9月5日記事より)

「憂慮」とIAEAに伝達 韓国、原発処理水で

 

【ソウル=共同】韓国の科学技術情報通信省は5日、東京電力福島第1原発で増え続けている放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分計画を巡り、「隣国として、海洋放出の可能性とこれに伴う潜在的な環境への影響に深刻な憂慮がある」と記した書簡を国際原子力機関IAEA)に同日送付したと発表した。

同省は書簡で、関連する国際機関や国と協力して積極的な役割を果たすよう要請した。今月中旬のIAEA年次総会に韓国から代表団を派遣し、処理水の処分計画について出席者らに注意喚起する方針も明らかにした。

同省の崔元湖・巨大公共研究政策官は記者会見し「未来世代に負担を押しつけず、国際社会が安全だと確信できるような(処理の)方法を見つけるよう国際社会に要請していく」と述べた。

韓国政府は8月、日本政府に処分計画の情報共有を求めている。日本政府は今月4日、韓国を含む在京大使館関係者向けの説明会を東京で開き、日本政府の小委員会では処分方法の結論は出ていないと伝えている。

ただ、その後も韓国ではメディアで海洋放出の可能性が取り沙汰されるなどし、環境への影響に懸念が出ている。〔共同〕

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でも実際はどこの原発でもトリチウムを含む処理水(以下「トリチウム水」と記述)は放出されている訳で、それは韓国でも例外ではありません。

ですが韓国ではその事には一切触れずに、いたずらにトリチウム水への不安煽りの報道がなされている様です。

 

こうしてマスコミは韓国国民の不安を煽っていますが、どんなに煽ろうと批判しようと、いずれはトリチウム水は海に放出せざるを得ない、と覚悟しなければならない時がやがてやってくると自分は思っています。

本来ならどこの原発でも行っている様に、そのレベルに薄めて海に放出すれば何の問題もなく、環境への放射線の影響もほとんどない事は福島の漁業関係者なら誰でも知っているはずです。

でもそこでの一番の問題はやはり「風評」であり、それを一番唱えているのが韓国であり、それに苦しめられているのが地元の漁業者と言う図式になっている訳です。

でも韓国内の原発からもトリチウム水は以前からずっと流され続けているのですから、ならばいっその事、『韓国内の原発の排水基準を最大値(MAX)として、それ以下の値に希釈して海に放出する』という案を韓国側に提示してみてはどうでしょうか。

 

1978年以降現在まで、韓国ではおよそ20基の原発が稼動しています(→参考)。

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そしてそこで放出されるトリチウム水については韓国民も何の不安も訴えておらず、自国の水産品は平気で食しているのだし、その基準ならば韓国でも問題とされない事はこれで証明されている訳です。

それならば、その基準値以下で放出するならば尚更問題ないという事ですし、またこの提案が韓国国民の間で議論を巻き起こせば、その事で韓国国民の放射能に対する理解も今よりもっと増していくかもしれません。

そうなれば韓国国民の放射能アレルギーも徐々に小さくなり、やがては日本からの水産物の輸入制限も解除される方向に向かうのではとも思うのです(もちろん希望的観測ではありますが)。

 

これは決して韓国を揶揄するものではなく、専門家も交えて大真面目に議論すべき議題であると自分は考えています。

トリチウム水問題は日本国内だけのものではなく、周辺諸国の問題でもあります。

ならば尚更周辺諸国も巻き込んでの議論が必要であり、韓国民もそれを自国の事として考える様になる事が重要ではないかと思うのです。

 

韓国では日本政府の輸出規制の報復として日本からの輸入品の放射線チェックを強化しましたが、その結果がどれも基準値以下という事になれば、やがては逆に安心感を持つ様になるのではないでしょうか。

 

もしトリチウム水を海に放出するという事になった時、その際は日本独自で行うのではなく、韓国側からも専門家を招いて基準値をチェックするようにし、その情報をリアルタイムで公開出来る様なシステムを作成し、それを日韓共同で運用していくのです。

例えば1日の放出量を

 何月何日)韓国原発:○○ベクレル、福島原発:△△ベクレル(韓国原発以下)

という具合に互いの放出量を一目で比較確認出来る様にし、それを両国民がいつでも自由に閲覧出来る様になれば、韓国国民の不安もやがては消えていくのではと思うのです。

 

今、日韓関係は戦後最悪と言われてますが、ただ批判と報復の応酬ばかりではなく、お互いの懸念材料をお互いが知恵を絞り、互いに協力して解決する様努力する事こそが、これまでの日韓関係を修復するきっかけになると自分は思います。

もちろんそれには時間がかかるのは言うまでもありませんが、原発処理の問題はこれから先も長く続いていく事でもあり、その先を担うのはこれからの若い世代の人達です。

その頃には今よりはずっと、相互理解が進んだ日韓関係が築けていると信じたいものです。

 

(参考)