お盆休みを前にして、テレビでは政府の「GO TOキャンペーン」に対して疑問や反対の声が高まってますね。
テレビでは連日「感染が急速に全国的に広がっている」などと報道され、思わず日本全国そうなのかと不安を覚えてしまいますが、でもよくよく見てみると感染が広がっている地域って、沖縄を除けばほとんどはいわゆる大都市とその周辺ばかりなのですね。
試しに8月6日20:30時点のNHKのまとめ(→こちら)を見てみると、この日の新規感染者数は1472人と大幅に増えてしまってますが、そのほとんどはいわゆる「大都市圏」と呼ばれる所に集中している訳です。
試しに、赤丸で囲った大都市とその周辺(大都市圏)8県の数字を合計してみると1182人となり、ここだけで日本全国の感染者の80%にもなっているのです(この一週間を遡って見てみても、ほぼ同様な傾向でした)。
この8県合わせての人口はおよそ63,659,000人で、ここだけで日本の総人口125,960,000人の半分に当たる訳ですが(数字は令和元年10月1日現在、総務省提供の統計表より算出)、総人口の半数の中で国内全体の8割にも及ぶ感染者を出している、それが現在の状況という訳です。
一方、大都市以外のいわゆる地方と呼ばれる他の県については、沖縄県が今大変な事になっていますが、他は時々散発的にクラスターなどが現れたりするものの、大方感染者の感染経路は特定され、適切に抑制管理されている状態です。
コロナは当分なくならない、コロナと共にwithコロナ。
本当は自分の周辺にはコロナはいないのが分かってるけれど、同調圧力の中でマスクをかけ、アルコール消毒してからお店に入り、人と人とは2m、そんな新しい日常を粛々と送っているというのが地方の現状です。
こんな中で政府・行政やマスコミの間では「GO TOキャンペーン」への反対が増えているという訳ですね。
そこでは
「アクセルとブレーキを同時に踏む」
だとか、
「感染が地方に広がって良いのか」
などという反対意見が出されてる訳ですが、でもこれって結局、みんなこのキャンペーンを「都会目線」でしか見ていないという事なのですね。
全国配信のテレビキー局は皆東京や大阪などの大都市の中にあり、ニュースや情報番組に登場するキャスターやコメンテーター、或いは医療専門家なども皆コロナ禍の真っ只中にいる人ばかりです。
よってそのコメントは当然そこの「都会目線」でしか語れない訳で、だからあの様な反論ばかりずっとメディアで流され続け、いつしかその意見が日本中に蔓延していると思わされ、地方の首長さんもついこれに同調してしまったりする訳です。
そして昨日、大阪府の吉村知事までもが「GO TOキャンペーンは中止すべし」と発言され、正直ちょっと失望してしまいました。
それを言うならせめて、
「大阪府も GO TOキャンペーンから外してくれ!」
と言ってほしかった。
結局彼も都会の人で、「都会目線」でしかこれを見られなかったという事です。
彼らから見れば「GO TOキャンペーン」は、【感染拡大地発地方行き】としか思えないのですね。
でもね、そもそも「GO TOキャンペーン」というのは、都市部の人達だけのものではないのですよ。
東北ではこの夏、一年で最も熱く燃える東北夏祭りがすべて中止となり、その経済損失は1400億円を超えると試算されています(→参考)。
全国的に見ても、夏祭りが消えた事による観光客の減少は、ホテル・旅館業界だけではなく、日本経済全体にも相当大きなダメージを与えている訳です。
そして地元のホテル旅館業界の損失を埋めるため、地方では県民限定の地元旅館宿泊割引クーポンなどという県独自の救援策を打ち出したりして、地元県民にはそれなりに好評を博してはいますが、いかんせん地元だけでは予算や人口数などのため、どうしてもその数には限りがあります。
コロナのおかげで宿泊客も激減し、都市部では外出自粛要請なども出される中、お客には来てほしいけれど、感染が拡大している都市部からの来客は躊躇するという地元業者の胸の内は複雑です。
何より医療体制が脆弱な地方としては、大都市における無症状感染者と経路不明感染者の激増が最大の不安材料で、感染者が爆発的に増えてしまった沖縄県の様になってしまうのを一番恐れている訳です。
地元民だけでは足りない、都会からの集客も見込めないというならば、じゃあ後は地方同士が助け合うしかないじゃないですか。
感染者数も少なくちゃんと抑制されている地域で、県内で自由に行き来出来るという県同士なら、お互い相互に行き来し合っても何の問題もないはずです。
改めて地図を見直してみると、実は大都市周辺部以外では、東北・北陸・山陰・四国などほとんど感染の心配がない地域が多数あるのが分かります。
実際福井県では、北陸3県の住民を対象とした独自の割引キャンペーンなどが考えられているし(→こちら)、それならば旅行会社は、感染者が少ない地域同士で相互に行き来出来るプランを積極的に推奨すれば良いのです。
【都会から地方へ】ではなく【地方発地方行き】を。
例えば東北から四国へ、四国から東北へ。
四国の方は東南海地震に備える意味でも、この機会にぜひとも東日本大震災の震災遺構の体験を。
島根発東北一周プラン、東北の方はぜひ出雲大社へ。
地方の状況を俯瞰するにはこちらのサイトが便利です。↓
(スクショ ↓)
地方創生と言われ続けて久しいですが、都市部が麻痺しているこの時期だからこそ、地方同士が協力し合うのが重要ではないかと僕は思うのです。
その意味でも「GO TOキャンペーン」は、ありがたく堂々と利用させてもらいます。
JR東日本におかれましては、昨年やって大好評だった「仙台~金沢間直通新幹線」の復活運行を強く願うものです。