杜の里から

日々のつれづれあれやこれ

SSFSさんのコメントへの返事(2/2)

(1/2)では「Yahoo掲示板/マイナスイオン監視室」に対するものでしたが、ここからはSSFSさんへの直接の返事となりますので、以下文体を変えます。
*              *              *

SSFSくん、君は僕に一目置いてくれているようだから、それについては僕も敬意を払う意味で、ここでは君の事をこう呼ばせてもらうよ。

SSFSくん、君は「慇懃無礼」という言葉を知っているかい?試しにちょっと辞書を引いてごらん。何て書いてあるかな?
君は「Yahoo掲示板」の方で僕のエントリーに対してこのような批判を行い、それが的外れな指摘であると僕が答えたのに対してこのような返事を送って来た訳だね。
2010-02-10 00:55:18
> osatoさんはEMではせっかく丁寧な調査をしているのに、マイナスイオンとなると、メーカーの説明不足程度で問題意識が尽きてしまっているようです。シャープのサイトにある情報ですから、同社で回答できることです。要領を得なかったとすれば、聞き方が悪かったのではないでしょうか。
自分の批判が誤りである事を指摘されたならば、普通はまず自分の非を認め、謝るもんじゃないのかな?
僕はそれが議論を行う上での最低限のマナーだと思っているのだけれど、どうやら君はそれすら持ち合わせてはいないようだね。
それに君はこうも言ってるよね。
>なぜかマイナスイオン批判者は、自分で手を動かすことなく、説明をすべて人任せにして、自分は試験官あるいは査読者であるかのような「上から目線」の態度で眺めるのが常です。
もう一度前のコメントを読んでみようか。
>メーカーの説明不足程度で問題意識が尽きてしまっているようです。
>シャープのサイトにある情報ですから、同社で回答できることです。
>要領を得なかったとすれば、聞き方が悪かったのではないでしょうか。
さらにもう一度これを読んでごらん。その最後に君は何て言ってる?
ニセ科学の疑いがかかったテーマに接するときの基本は、丁寧な分析と詳細な調査です。先入観にとらわれた居丈高な物言いは慎んだほうが身のためだと思います。
この言葉はそっくりそのまま君に返すよ。そして、以後僕のブログにコメントしても即削除するからそのつもりでいてほしい。
その理由は分かるよね? いや別に君が分からなくとも、これを読んでくれている人達は皆納得してくれると思うよ。
ただ、また君に誤解されたままでいられるというのはそれは僕の主義にも反する事だから、その理由をこれから言うから聞いておくれ。

僕は君の発言を色々見てきた。そして上のような事例はあちこちで見つかり、正直もううんざりしている。
前のエントリーでも言ったけれど、僕はいつも自分の発言には「責任」を持たなきゃならないと思っているんだ。だからこそ事実確認(君は「ファクトファインディング」と言ってるよね)には細心の注意を払っているつもりだよ。
でもこの「事実確認」というのは、実は自分自身にも当てはまる事なんだよ。
自分の言動が誤解されまいか、相手を傷付けていないか、そして「うそ」を言っていないか、僕はいつもこれらの事を意識している。
でも君の言葉にはそれが感じられないんだよ。

君の発言は「無責任」だ。

君は「丁寧な分析と調査」と言ってるよね? じゃあ君は自分の言葉にもその目を向けてるかい?
そんな事はしてないよね。してるんだったらあんな発言になんかになる訳がない。
誤解や間違いというのは誰にだってある。だから僕はそんな事で相手を責めたりしやしない。
僕がいつも見ているのはその内容の正誤じゃない。自分の言葉にどれだけ「責任」を持っているかという事なんだよ。そしてその責任感の有る無しが、「言葉の重み」というものに大きく関わって来る訳なんだね。
僕は自分の言葉にさえ責任が持てない人とは話したくはないんだよ。

でもまたここで誤解しないでもらいたい。僕は君の発言「すべて」が無責任と言ってる訳じゃあないんだよ。
君の言葉が無責任になってしまうのは、決まって「ニセ科学」を語る上での事なんだ。
それが証拠に、あの家電ブログでの君のアドバイスは皆的を射たものばかりとなっている。そこのコメント欄での君の説明には何ら矛盾する所なく、しかも企業の問題点などもきちんと指摘していて、その言葉には君の責任感がよく現れてると僕は思っているし、事実ブログ主からも信頼されているようだしね。
でもその君がこの「ニセ科学」を語る時は、あそことはまるで別人かのような傍若無人ぶりを示している。
一体どちらが本当の君なんだい?

君は「怒り」に取り付かれているだけなんだよ。

「怒り」というやつは人を突き動かすエネルギーにもなり、それが君のあの凄まじい情報収集の源にもなっていると僕は思っている。
でも逆に「怒り」というやつは、冷静さを失わせてしまう。結果それが、君が廃するべきと言っている固定観念や先入観に君自身が取り付かれる事となり、今の君はすっかり、君自身が最も忌み嫌うニセ科学批判者の態度そのものになっている事に何も気付いていないんだ。
いや実を言うと、その気持ちは僕にもよく分かるんだよ。前回エントリーに取り掛かった当初は僕も君と同じ気持ちだったからね(但し、僕をそうさせたのは君のあの無礼な言葉だったんだけどね(笑))。
おかげで最初に出来上がったものは我ながらひどいものだった。こんなのをこのまま公開したら間違いなく僕の品位を疑われるほどだったよ。
だけどここで僕は我に返り、今一度内容を振り返り、それこそ固定観念に捕われぬよう冷静に一個一個分析していったんだ(ちなみにあれは、4回も書き直しているんだよ)。
まあ結果、僕が直接非難せずとも君の無責任ぶりが如実に現れる事になったんだけど、それは決して僕のせいじゃない事は分かるだろ? そこにはただ純然たる事実があっただけなんだから。
でも正直、僕はこんな事をするのは好きじゃない。一般の個人を公開の場で吊るし上げるなんていうのはリンチと同じだからね。
だからもうこれ以上、僕にこんな事をさせないでほしい。僕が相手にしてるのは君じゃないんだよ。

それからSSFSくん、君は僕の「マイナスイオン」に対する問題意識も誤解してるね。ついでにここで君のその誤解も解いておくよ。
ご存知の通り、僕はEMに言及している。そして君も、「EMはニセ科学」と思っているんだろ?
でもここでちょっと考えてみて欲しい。
EMの成分は何?
それは自然界に普通に存在する数々の微生物達であり、それ一つ一つ見ていってもそれはニセでも何でもなく、それぞれに科学的な研究も行われている。そもそもEM自体だって、僕に言わせれば効く時もあれば効かない時もある単なる普通の微生物資材だ。
じゃあ、なぜそれが「ニセ科学」と言われているのだろう?
同じ様に「マイナスイオン」も考えてみよう。
君が良く知ってるように、「マイナスイオン」とは実は負の大気イオンであり、或いはアニオンやら陰イオンとか呼ばれているものの総称として使われており、個別のものはニセでも何でもないものだ。
じゃあなぜ「マイナスイオン」はニセ科学と言われるのだろう?

SSFSくん、君がEMをニセ科学だと思っている時、君は何を批判している?
それは「万能性」を謳う比嘉氏の言説だろう?
同じ様に、「マイナスイオン」がニセ科学と言って批判しているのは、「健康に良い」と謳ったあの三人衆の言説なんだよ。
でも君は、「健康については興味がない」とこことかここで言ってるよね。
じゃあ君は、元々「ニセ科学」には興味がなかったという事になるんだよね。

SSFSくん、君は初めから「ニセ科学」というのを理解していなかったんだよ。

君は菊池さんにドライヤーについてあれこれ食い下がって聞いていたけど、あれはEMで言うならば、
「EMはニセ科学と言うけれど、EMに含まれる乳酸菌にも効果があるだろう。それを調べろ。」
と言ってるのと同じ事なんだ。
勿論乳酸菌には何らかの効果はあるだろうし、光合成細菌にだって放線菌にだって色々効果はあるはずだよ。
でもEMはその成分を明らかにしていない。だから何がどうやって効いているのかは調べようもない訳だ。
同じ様にドライヤーを調べようとしても、詳しい資料が得られなければやっぱりそれは調べられないし、あやふやな資料ばかりじゃ「効く」「効かない」なんてはっきり言う事は出来ないだろ?
君がやっている事はEMで言えばそういう事で、君はひたすら乳酸菌やら光合成細菌の資料を必死になって集めてるという事なんだよ。
だけど僕はそんな事はしていないよね。それでも君は僕のしている事を評価してくれている。
要は「何を問題とすべきか」なんだよね。

SSFSくん、僕はね、

「EMとマイナスイオンは同じ」

と考えているんだよ。
EMは「何となくいいもの」というイメージを抱かせ、マイナスイオンは「何となく気分がいいもの」という漠然としたイメージを植え付けさせている。
そしてEMは企業や自治体、学校などで「効果がある【とされる】」として広まり、マイナスイオンも同じく「効果がある【とされる】」として、それだけの理由で企業が飛び付き、それがまた人々に広く知れ渡ってイメージばかりが広まった。
その「構造」は同じなんだよね。そして、この部分こそがニセ科学として追求されるべき所なんだ。
「EMは効果があってもニセ科学
こう言っても君は納得してくれるよね?
じゃあなぜ
マイナスイオンは効果があってもニセ科学
という菊池さんの言葉は理解出来ないの?

ニセ科学」というのは個別の製品の真贋を見破る事が本質じゃない(勿論それも必要ではあるけどね)。それを組み入れてしまった「社会」にこそ視点を向けるべきものなんだよ。
だから僕のマイナスイオンに対する問題意識というのは、これを広めてしまった企業の「企業倫理」というものに常に向けられているんだ。

SSFSくん、「企業倫理」についての問題意識なら君も持っているよね? 
あの技術者さんのブログで三回にも渡って解説されているのを君は見ているはずだし、その続編も君は詳しく読んで共感しているはずだ。
そして君も「企業倫理」というものを問題視してるんだろ?
でもその事は、実はあのレジュメでもちゃんと述べられているんだよ。
「怒り」に捕われている君はその事実さえ見る事無く、ただあのレジュメを批判する事しか考えていなかったんだ。

SSFSくん、「マイナスイオンは健康に良い」と言うと、君はまた「おなかいっぱい」とか「言い尽くされた」とか言う事だろうね。
確かにネット上や学会などではもう古い事としてしか扱われないだろうね。
だけど現実の社会ではね、それは今尚、現在進行形で起きている事なんだよ。
君は僕のこのエントリーを読んだかい? 多分興味もないから読んでないかも知れないけれど、試しに読んでごらん。ついでにその前後のエントリーもね。
言っとくけどこれは過去の話じゃないよ。今現在起きている事だからね。これこそ「マイナスイオンは健康に良い」から派生した「事実」だ。
そしてこれが今、こんな事になっているんだ。

この話題を君は一度ここで取り上げてるよね? でも誤った「ニセ科学」の理解をしていた君は事の本質を見抜く事なく、ただ紹介だけして後はスルーだった。
僕は大いに失望したよ。

SSFSくん、僕は「ニセ科学」はずっと社会問題だと思ってる。そしてこれは菊池さんも初めからそう言っているし、多くのニセ科学批判者は皆その視点から批判活動をしている。
それがネットではいい加減出尽くされた話題だと言っても、実際の現実社会ではそうじゃないんだよ。
ゲーム脳」の講演は相変わらず行われているし、「水からの伝言」だって教育現場で使われてる。おまけにこんな輩まで出てくる始末。
行き過ぎた健康志向、怪しい食育、根拠なき代替療法。皆現実の話なんだよ。
そして何も知らない人達はそんな言説を真に受け、思考は硬直化され、本当に重要な事から目を背けさせられてしまう。紹介した「血液サラサラ」なんかいい例だと思う。
だから僕はね、

ニセ科学は人を無防備にしてしまうもの」

だと思っているんだよ。
そんな事にならないためにも、あの「ニセ科学」の授業をやる事は大いに意義があると僕は思っている。

SSFSくん、僕は君の情報収集力だけは認めているんだよ。だから君からの情報紹介には素直に感謝もしているよ。
でもね、済まないけれど、僕が認めるのはただそれだけなんだよね。

君は「木」しか見ていない。

そして君は、その「木」だけを見て森全体を評価している。それがどんなに狭い視点に拠ったものであるか、その判断がどんなに危ういものであるかは君にも分かるだろう?
そして君がそうである事は、実は君以外の人達は(君がストーカー呼ばわりしている人も含め)皆知っているんだよ。


随分長くなっちゃったけど、僕が言いたい事はこれだけ。まあ果たして君がここまで読んでくれているかは分からないけれどね。
ああそうそう、僕がhietaroさんに返信した内容については本心だからね。これも誤解しないように。↓
>本当になぜご自分のブログを持たないのか不思議でなりませんね。
あれほどの資料収集能力があれば、資料庫として色々重宝する人も出てくるかと思われるのですが。
あちらの掲示板ではいちいち探すのが大変なんですよ。

それと、こちらの中のリンクが切れていたので下に置いとくよ。これを見ないとあそこでは何言ってるか分からなかったからね。
色々ひどい事言ってしまったけど、これが僕からのせめてものお侘びのつもりと思っておくれ。
「クレイツ」→http://www.e-topgear.jp/creats/

じゃあさようなら。